脊柱管狭窄症の手術では日帰り手術が危険な場合がある。
世間では全身麻酔は局所麻酔よりも危険なイメージがありますが、全身麻酔は麻酔の専門医が行うので管理がしっかりしていますが、局所麻酔は麻酔の勉強をしていない医師でも行えるので危険なことがあります。Ogawa先生達の報告では局所麻酔による脊椎内視鏡手術中に唾液や気管支分泌液の過剰な分泌を抑えるためのアトロピンの投与後に心拍数は40bpmに低下し、房室ブロックが出現し、心臓が停止した症例が報告されています。
脊柱管狭窄症を内視鏡で手術すると取れない病巣部もできる。医師から「最近は整形外科も進歩して腰の手術も胃や腸と同じように内視鏡でできるようになりました」と説明されても誤解しないで下さい。胃や腸の内視鏡は管に直接入れるので悪い部分に直接到達できますが、脊椎の内視鏡は神経の管に入れるわけではなく、筋肉に入れるだけで見える悪い部分は限られてきます。利点と言えば手術の傷が小さくリハビリテーションの期間が短いことですが、取り残しができると、後で結局、切り開く二期的手術が必要となる場合があります。解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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