戸田整形外科リウマチ科クリニック

診察予約・お問合せは 06-6387-4114
受付時間 | 9:30〜12:30(月-土) 15:30〜18:30(月-水,金)

腰以外から来る腰痛:仙腸関節や肺活量の低下も原因となる

背骨を一番下で支えている仙骨と足の付け根である股関節と繋がっている腸骨の間にある関節を仙腸関節といいます。 この関節にずれが起こってくると車や電車の乗り降りなどお尻をずらさなければならない動作で痛みが起こってきます。また、範囲も腰だけではなく、お尻から太腿の外側に広がります(林典雄: 理学療法研究33:3-7,2016)。仙腸関節の問題があるかどうかはパトリックテストという方法で確かめます。寝転がってシェーのポーズをした時に反対側の骨盤を押さえながら(骨盤を固定)膝を押してもらった時には痛まず、骨盤を固定せずに膝を押した時に痛みがあれば、仙腸関節の障害です。コルセットを少し、下目に巻いてみましょう。 思い切り息を吐きながらお腹を突き出した時にお腹を触ると固くなっていますよね。お腹が固くなると重い頭(平均7kg)を支えている背骨にかかる負担がへり、腰痛の危険性がへります。しかし、女性はお腹で息を吐く力が弱いです。国内のある大学では、17人の慢性的な腰痛のある女性と17人の腰痛のない女性の肺活量検査を行いました(金子秀雄ほか: 理学療法科学.31:799-804,2016.)。その結果、腰痛持ちの女性は腰痛のない女性に比べて、胸いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出した空気の量(努力肺活量)が少なかったです。だから、女性の腰痛の予防には腹式呼吸(吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにはお腹をへこませる呼吸法)が良いです。また、大きな風船を膨らませるのも良い訓練になるでしょう。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝