貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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腰痛で痛み止めを我慢すれば睡眠不足になり、腰痛が悪化する

僕が診察をしていると「薬は副作用がこわいからできるだけ飲みません」という方が結構多いです。折田先生の調査では腰痛患者さんでは腰痛のない人に比べて白に睡眠時間が短かったそうです(折田 純久ほかJournal of Spine Research.9: 1031-1037,2018.)。一方、睡眠不足は炎症起こすサイトカインという痛みを強める物質を増加させます。つまり腰痛が睡眠不足を招き、睡眠不足が腰痛を強めるという悪循環が起こります。だから、腰痛で睡眠不足になったら無理せずに痛み止めを飲みましょう。 加齢に伴い「寝っきが悪い(入眠潜時の延長)」「夜中に目が覚める(中途覚醒)」「朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)」の症状が増加します.これらの変化にはメラトニンというホルモンの分泌が減ることによって起こります。メラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て体内で合成されます.機能性食品としては,材料であるL-トリプトファン(就寝前3 g/日)を摂取することで,メラトニン合成が進み,入眠潜時が短縮します。ケール(寒さに強いキャベツの一種)にはL-トリプトファンが多くを含まれています。ケール含有青汁を3 年以上摂取した者の身体機能年齢を同世代者と比較した成績では,自覚症状スコアでは「眠りが浅い」が有意に改善さたという研究があります(Tarumizu C, t al. : Glycative Stress Res 3 : 81-90, 2016)。だから、睡眠の質の悪い人にはケール入り青汁がお薦めです。 また、ぎっくり腰は朝起きた時に起こることが多いです。その原因は、夜寝ている間に腰の関節や筋肉は動いていないので固くなっていますが、朝起きた時に急に前屈みになると腰痛が起きやすいです。人はレム睡眠という脳も休んでいる時期には自然と寝返りをします。だから、腰痛予防のためには寝返りのしやすい環境で寝るようにしましょう。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝