戸田整形外科リウマチ科クリニック

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膝と心臓の意外な関係。夫婦げんかと狭い浴槽では心臓麻痺が起り易い

機嫌が悪くなってくると膝を反対側の膝の上に乗せて足を組む人がいます。でもあのポーズをすると足の重みで反対側の足の静脈を圧迫し続けるので血液が胸の部分に沢山集まり、心臓にかかる負担が大きくなります。オランダのラートボート大学の研究では心臓に直接かかる圧力を表す中心動脈圧の変化を12分間膝の高さで足を組む前と後で測定しました。その結果、膝の高さで足を組めば最高血圧は平均2.8mmHg上がりました(van Velthoven MH et al: Blood Press Monit. 19:129-133,2014)。だから、同じく中心動脈圧が上がるストレスのかかる夫婦喧嘩を膝の高さで足を組みながらすると心臓に余計に負担がかかるので夫婦喧嘩は両足を地面に付けて話し合いましょう。浴槽は長さ75cm程度の小型、90cm程度での中型、110cm以上の大型があります。国内のある法医学教室の調査では、浴槽内で病死した56人がどんな浴槽でなくなったかを調査しました(相原弼徳:日本温泉気候物理医学会雑誌.66:108-114,2003.)。病死は浴槽の長さが75cm以下の小型が多かったです。その理由は、膝を大きく曲げる必要がある小さな浴槽では水圧の影響を受け,心臓に負担がかかり病死を起こすからです。だから、一人暮らしをする時は浴槽で孤独死しないために膝を軽く伸ばせる中型の浴槽を選びましょう。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝