薬の添付文章に完全に従っていたら患者さんが一番困っている病気を治療できない。
一部の薬剤師は責任逃れもしくは自己顕示のため医師の処方に余計なダメ出しをしてくることがあります。例えば、心疾患の人に変形性膝関節症患者さんに非ステロイド系消炎鎮痛剤を処方すると「心疾患のある人に非ステロイド系消炎鎮痛剤を処方するのは禁止です」と鬼の首をとったように電話をしてくる薬剤師がいます。たしかに。重症の心疾患で末期心不全患者に対して非ステロイド系消炎鎮痛剤(代表的な薬はロキソニン、セレコックス)は腎機能障害の悪化や体液貯留の増悪のリスクがあるため、できるだけ使 用を控えるとなっています。しかし、高血圧性のものを除く心疾患の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は173万2,000人です一方、変形性膝関節症の人口は全国に2700万人いると言われています。だから心疾患の人の中で変形性膝関節症を合併している人は多いです。そして殆どの人は歩くことができるので軽症の心疾患ですので、そこまでロキソニンを禁止するほどでは僕は思います 解説:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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