階段を下る時に膝が痛むのなら内外ももの筋トレをしよう
僕たちの調査では変形性膝関節症の患者さんにヒアルロン酸関節内注射と椅子に座ってひざを伸ばして前ももを鍛える訓練を指導した25例の変形性ひざ関節症患者さん(指導なし群)とその注射に内ももと外ももの訓練を追加指導した26例(指導あり群)との間でリキーネ先生の質問表にある10の動作に伴う痛みと体の横揺れの度合いを比べました。
その結果、4週間治療前後での立っている時の体の横揺れの改善率は指導なし群の平均6%しか改善しませんでしたが、指導あり群の平均11.9%も改善しました。
階段を下りる時の痛みは、指導なし群で17人が治療前に痛みがあり、その17人の中で治療後は4人(23.6%)が痛みがなくなりました。一方、指導あり群では、治療前に痛みのあった19人中12人(63.2%)が疼痛なしと答えました。この項目に関する統計学的検定では指導あり群の方が指導なし群より有意に高い改善率でした。
内田先生達は日常生活動作での体のよこ揺れの度合いを検査しました。その結果、階段下りる時に最も体の横揺れが増加しました。内ももと外ももの筋力が弱い変形性ひざ関節症の患者さんでは体の横ゆれが大きいです。このため、内ももと外ももの筋トレによって体の横揺れが少なくなると階段下りる時の痛みが減ります。だから、階段が下り時の痛みには太ももの内側と外側の筋肉を鍛えましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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