奈良県でない川崎市で奈良漬けが名物になった理由は膝が関係していた。
今年の5月に川崎大師にロケに行きました。その時に仲見世に「名物奈良漬け」と書いてありました。関西人の僕にとっては、「奈良でもないのに、なんで奈良漬けが名物なの?」と思い、調べてみました。江戸時代、川崎の宿にあった万年屋という店では、奈良茶飯のおいしさが評判でした。「奈良茶飯」は、お米に小豆、大豆や粟などをお茶の煎じ汁で炊いた炊きこみご飯で、元々は奈良の興福寺や東大寺の精進料理でしたが、腹持ちが良いので江戸時代には旅人に珍重されました。その万年屋の奈良茶飯が十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に載ったことで一層有名となり、万年屋は大名が昼食に立ち寄るほどになりました。奈良茶飯には奈良漬が付きものでした。そして、川崎宿と万年屋がなくなった後も奈良漬けだけが残り、名物として今に至っているそうです。文責:戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
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