忘れてはいけない。ツツガムシ病の症状と鳩の羽根の掃除
健康にくらすことを「つつがなく暮らす」といいますが、語源は何でしょうか?聖徳太子が随の煬帝に送ったと言われる国書「日出処の天子、書を没する処の天子に致す。つつがなきや」は、日本の国名の由来とも言われる有名な文章ですが、「つつがなきや」とは、「ツツガ虫に咬まれていませんか?」という意味です。昔の日本には沢山患者が発生して死亡する人も多かったです。今では日本全体に1年に500人程度の患者数です(http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/topics/jsf/)。しかし、それだけに現代はツツガムシ病の症状がわかりにくくなっています。ツツガムシ病はダニの一種であるツツガムシによって運ばれてくる病気です。5~14日の潜伏期間があり、リンパ節が腫れてきて、咽頭痛、関節痛がでてきます。虫の刺し口が診断の決め手となります(中村美智子ほか:皮膚科の臨床 54: 1403-1406,2012)。「風邪をひいて、関節痛があるんだろう」とあなどらず、真ん中がへこんだ黒いかさぶたのある刺し傷があれば、病院に行って調べてもらいましょう。
牛肉アレルギーの方は牛肉のすきやきや焼肉がたべられなくて本当にかわいそうですね。その原因は、野山に住んでいるマダニが動物の体に付き、その動物が人間に近づき、マダニが人に乗り移りうつり咬むことによって起こると言われています1(千貫祐子ほか: 日本皮膚科学会雑誌 123: 1807-1814,2013)。マダニは野生の鳩に寄生している場合があります(日本鳩対策センター: http://www.hatotaisaku.jp/guide/1920/)。ベランダに鳩がよくくるようなら羽根を掃除をしっかりしましょう。論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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