本気で自殺する気ならば頸部切創では無理だという論文が多い
愛知県犬山市の山林などで母子3人の遺体が見つかった事件で、妻を殺害したとして逮捕された父親が、逃走中に自分の頸部を切って自殺を図った可能性があると報道されています。愛知県扶桑町の田中大介容疑者は、8月8日から9日にかけ、自宅で妻の智子さんの首を絞めて殺害した疑いで14日朝送検され、「口論になり、カッとなって殺した」と容疑を認めています。
豊田先生の調査では2004年4月から2006年3月までの52人の自殺死亡者を調べました。主な手段は男性では首吊り、ガス、女性では首吊り、飛び降り・飛び込みでした。宮本先生の調査では1999年10月から2000年10月迄に自殺を計画し頸部を切り救命救急センターに搬送された9人を調査しました。その結果、9人全員が男性であり、全員が救命されました。
武将の時代と違って救命医学が進んだ国民皆保険制度の日本では頸部損傷で死亡することは少ないと考えられます
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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