腰痛が再発する人は自転車漕ぎをして膝を曲げる筋肉を鍛えておこう
皆さん、ぎっくり腰になったことがありますか?仕事中に一度でも腰痛になったことがある人は83.4%。腰痛で仕事を休んだことがある人は25%だそうです。ぎっくり腰になった時には背筋を伸ばすのがつらいでので背骨を曲げて歩きます。↓そのバランスをとるために膝を曲げた状態でペンギンのように歩きますよね。その時にはハムストリングスをいうひざを曲げる筋肉に負担がかかります。
国内のある病院では24人の腰部脊柱管狭窄症の人と腰が痛くない18人に椅子の腰掛ける時のビデオを撮影して、動作を分析しました(木村悠人ほか:理学療法科学.31 541-546,2016)。その結果、腰部脊柱管狭窄症の人では腰をドッスンと落とすと痛みが強くなるので、骨盤を後ろに傾け、股関節をゆっくり曲げていく座り方をしていました。この着座をするためには膝を曲げる筋肉であるハムストリングスの筋力が必要で、その筋力が無ければ、腰の激痛を引き起こします。だから、腰痛持ちの人はいつ腰痛がでても良いように普段から膝を曲げる筋力を鍛えておきましょう。
ハムストリングスを鍛えるのに最も適した運動は、自転車漕ぎです。競輪選手も水泳選手も太ももが太いですが、膝を曲げながら力を入れる競輪選手はももの裏側の筋肉であるハムストリングスが発達し、膝を伸ばして力を入れることが多い水泳選手ではももの前面の筋肉である大腿四頭筋が発達します。田中先生達の研究では,エアロバイクでは逆回転に抵抗を加えるすることで,ひざを伸ばす太もも表面の大腿四頭筋が鍛えられ,順回転ではひざを曲げる太もも裏側のハムストリングスが鍛えられることがわかりました(田中直次郎他:日本私立医科大学理学療法学会誌.2002;20:20-22,.)。
論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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