腰痛に対するバードドックを簡単に行う方法は上半身をベッドに乗せる
最近は筋トレブームですが、筋肉むきむきの人でもひどい腰痛に悩まされることがあります。腰痛のためのコアトレーニングは脊柱安定化を目的として行われるのであって、日常生活に負けない筋力があれば十分です。また、多くの本で紹介されているコアトレーニングはお年寄にはキツ過ぎます。大江先生達は腰痛の病期、腰痛の程度、腰痛増悪動作に応じた最適なトレーニングを選択するべきだと述べています(大江厚ほか.:理学療法30: 988-998,2013)。コアトレーニングの代表であるサイドブリッジも高齢者や痛みが強い時期には膝を伸ばして肘で壁にもたれかかるだけでも良いと大江先生達は書いています。いきなり、強い筋トレに挑戦するから長続きしないのではないでしょうか?
1998年にマックギル先生が胴体の筋トレ(コア・エクササイズ)を発表しました(McGill SM: Phys Ther. 78:754-65,1998)。それ以来、腰痛患者さんにもバードドックと呼ばれる四つん這いになって左右反対の手と足を挙げる運動が流行しましたが、この運動は腰痛患者さんにはキツすぎます。そこで、村尾先生らは上半身をベッドに乗せて足を挙げるN-exを考案し、その運動では上半身の筋肉は働かず、腰痛を治すのに必要な筋肉(多裂筋)だけが鍛えられると発表しました(村尾昌信ほか.理学療法学.42: 114-118,2015)。
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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