戸田整形外科リウマチ科クリニック

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閉経すると関節を支えている骨が弱くなるから変形性ひざ関節症が進む

ひざが痛くなる人は圧倒的に中高年の女性に多く、症状が出始めるのは50歳以上の人が多いです。この時期はちょうど閉経に向かって女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減ってくる時期です。だから、閉経に伴うエストロゲンの減少がひざの痛みの発生および進行に関連していると考えられます。その理由の一つは閉経に伴う骨の中のコラーゲンの減少です。コラーゲンと言えばお肌(皮膚)の張りなどに重要な働きをしていますが、皮膚と同じく骨にもコラーゲンが多く含まれています。そして女性ホルモンであるエストロゲンが骨や軟骨のコラーゲン量を増やすのに重要な働きをしています。エストロゲンの分泌の減る頃から関節を支えている骨(軟骨下骨)が弱くなってくるので、軟骨にかかる負担が増え、軟骨がすり減り易くなります。実際、変形性ひざ関節症の患者さんに女性ホルモンを少し補充してやると軟骨のすり減りが遅くなるという研究結果があります。アメリカのフラミンガムという町の住民検診結果では女性ホルモン補充療法を受けている人と受けていない人を8年間にわたり比較しています。レントゲン写真での変形性ひざ関節症が8年間に進行した人の割合は女性ホルモン補充療法を受けている人ではわずか11.7%でしたが、受けていなかった人では23.2%の人で進行していました(Zhang Y, et al.Arthritis Rheum 41 :1867-1873,1998)。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝