骨粗鬆症による圧迫骨折は女性より男性に起き易い。男性も注意が必要です
骨粗鬆症による圧迫骨折は女性よりも男性に高い確率で起こります。しかし、重症の圧迫骨折は女性に多いという特徴があります。ある調査では40歳以上の1,486名の日本人の腰椎のレントゲン写真を撮影した結果、圧迫骨折の見つかった人の割合は男性では21.3%であり、女性の10.3%よりも多かったです。だから、男性も骨粗鬆症による圧迫骨折の予防をして下さい(堀井千彬ほか:骨粗鬆症性椎体骨折の有病率…整形・災害外科.63: 129-134,2020)。腰椎の圧迫骨折はつぶれにくい椎体の後ろの高さを100%とした時のつぶれやすい前の高さが何%減っているかで分類します(Johnell O et al.: Morality after osteoporotic… Osteoporos Int 15 : 38-42,2004)。前の高さの減少が20%未満の時を正常(0度)、20%以上25%未満の時を軽症(1度)、25%以上40%未満の時を中程度(2度)、40%以上を重症(3度)と呼びます。先ほどの日本人を対象とした調査では、軽症の1度は女性よりも男性に多く、重症の3度は男性よりも女性に多かったです。その理由は若い頃から重荷を持つことが多い男性の方が腰椎が骨折する機会が多いが閉経後に骨がもろくなっている女性の方が骨折すると変形しやすいのだと考えます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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