コーナースクワットで太ももの裏のハムストリングスも鍛えよう。
椅子に座った状態から立ち上がる動きも、日常生活のなかでひざの痛みが出やすい動作のひとつです。この動作で働く脚の筋肉は2つ。太ももの前表面側にある大腿四頭筋、そしてその裏側にあるハムストリングスです。
椅子から立ち上がる際、通常は大腿四頭筋とハムストリングスが協調して収縮することで、ひざを安定させています。しかし、これらの太ももの筋肉が衰えていると、ひざが安定しないところに大きな負荷がかかることになり、痛みが走るのです。低い椅子の場合は体が前屈みになり、ひざも深く曲がるため、なおさら痛みが起こりやすくなります。椅子から立ち上がるのが不安な人は、大腿四頭筋と一緒にハムストリングスも鍛えましょう。
椅子から立ち上がる際の痛みを左右する、大腿四頭筋とハムストリングスを同時に強化するには、スクワットが最適です。ただ、ひざが痛い人にとって、通常のスクワットは諸刃の剣。深くひざを曲げてしゃがみこむ動作は、ひざに大きな負荷がかかります。
しかし、壁の角に背中をつけながら行うスクワットなら、その心配はいりません。ひざを深く折り曲げることなく、30度曲げるだけで2つの筋肉を鍛えられます。O脚の人は不安定さを補うために足が外を向きがちなので、その癖が強くならないよう、足先を内側に向けて行うのもポイントです。ひざをつま先より前に出さないように気をつけてください。剪断力という前向きに滑り落ちる力がひざにかかり、症状を悪化させます。朝、昼、晩の1日3セットですが、忘れた場合は1日で15回以上になれば問題ありません。
(文章は戸田佳孝:ひざ痛を自力で治す. 大洋図書、2024年より引用。宜しければご購入下さい)
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