貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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ヤンキー座りごときで本当に骨盤がよく動くようになるのか?

僕はヤンキーごときで本当に骨盤の動きは良くなるか?ということを実験してみました。当院に通院中の患者の付き添い家族と当院職員とその友人で20歳以上の233人の腰や関節が痛くない人を対象にしました。「過去に3ヶ月間以上継続する慢性的な腰痛を経験したことがあるか?」という質問を行い、「ある」と答えた78例を腰痛経験ありグループ、「ない」と答えた155例を腰痛経験なしグループに分類しました。233人の中で女性は118人、男性は115人でした。骨盤の動きは前屈時の指から床までの指と床の距離で測りました。椅子に腰掛け前屈し、20回ゲンコツで脊柱起立筋をこする前に比べて後で指床間距離が何cm伸びるかを男女の間腰痛経験のありとなしグループで比較しました。 小学校の時の体力測定の体前屈の要領で膝関節を伸展し反動をつけないようにしながら体を思いっきり前屈し、両方の中指で水平板を押してもらいました。床から水平板までの距離を指床間距離としました。なお、床面に指先が着かない体の固い人の指床間距離はマイナスになります。20秒間のヤンキー座りストレッチの後、再び指床間距離を計測し、ストレッチ後の指床間距離をストレッチ前の指床間距離から引き、骨盤動きの改善度を評価しました。 233例中ストレッチ後に指床間距離の差が増えた人は222人(95.3%)、変わらなかった人は10人(4.3%)、減った人は1人(0.4%)でした。つまり、殆どの人は前かがみになり、ゲンコツでストレッチすると骨盤の動きが滑らかになることがわかりました。ストレッチ前の指床間距離は腰痛経験ありグループが経験なしグループに比べて短かったですが、ストレッチ後の伸びは経験なしグループが平均3.3cm、経験ありグループが平均3.3cmとほぼ同じでした。つまり、体の固い腰痛経験のある人ほど普段からヤンキー座りストレッチをするべきだと考えました。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝