貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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骨粗鬆症の新薬には高い製品もある。一人一人が国民皆保険を守る努力をしよう

2019年2月に骨粗鬆症に対する健康保険の適応を受けたロモソズマブ(一般名*)という注射薬は、加齢や閉経などによって分泌が増える骨を造る骨芽細胞の活動を鈍らせるスクレロスチンの働きを弱めて、骨を強くするとても良い薬です。しかし、この注射薬の値段は2020年4月時点で1シリンジが24,720円であり、2シリンジを月に1回12ヶ月間皮下に打つ方法が一般的ですから、治療費は合計24シリンジでその値段は593,280円です。つまり、保険負担1割の人の窓口会計は593,28円であり、残り533,952円は皆さんから徴収された社会保険料から支払われます。 僕が医師になった1980年代には多くの製薬会社の主力商品は感染症に対する抗生物質でしたが、抗生物質の使い過ぎが還って抗生物質の効かない菌を生み出すことがわかったなどの理由から厚生労働省が抗生物質の保険適応を狭めていきました。その頃から各製薬会社が力を入れだしたのが、長期間にわたって飲み続けてくれる生活習慣病(慢性疾患)に対する薬です。そのような意味もあり、骨粗鬆症治療薬は沢山造られるようになりました。 勿論は薬価(健康保険で支払われる薬の値段)には薬の開発費が含まれているので、発売から年数が経てば、ロモソズマブの薬価も段々と下がっていきます。しかし、次から次へと値段の高い骨粗鬆症に対する新薬は発売されることでしょう。だから、一人一人が各世代にするべき骨粗しょう症予防運動をして、食べ物に気を付けて、高価な骨粗鬆症治療薬を使わないですむようにして、平等な医療を提供です国民皆保険制度を守りましょう。江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝