貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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ふじみ野市事件:蘇生の胸骨マッサージは家族が到着するまで行うことが多い

2022年1月28日にふじみ野市で起こった医師死亡事件は、犯人が医師を呼び出し、心臓マッサージを要求したと報道されています。心臓マッサージには外科的に開胸して、止まっている心臓を直接手で圧縮する方法もありますが、一般に蘇生時に行うのは胸の上からの間接的な圧迫法ですから最新の蘇生ガイドラインでは,報道されている心臓マッサージは胸骨圧迫と書かれています 後藤先生の解説では胸骨圧迫は,刺激に反応がなく,呼吸が正常でない場合や脈拍が60/分未満の循環不全の場合行い、1分間に100~120回の速さとし,絶え間のないように行うことが大事です(後藤由和:小児科.60:868-871,2019.)。僕も勤務医時代に当直している時に病棟の患者さんが危篤になった時に家族の方がお別れに来るまで胸骨マッサージをしていましたが、1分間に100~120回の速さを30分もするとヘトヘトになり、次の日仕事になりませんでした。 長谷川先生達の研究ではマネキンの胸の横に膝をつき胸骨圧迫を行うと不安定ですが、足部に補助板がった時の方が安定するそうです(長谷川智之ほか:産業保健人間工学研究.21:11-17,2020.)。↓いずれにせよ、医師も体を張って行う処置ですので、決して家族の手元にいる死後行うものではありません。何より死亡してからも体を圧迫するのは故人に対して失礼だと思い ます。   論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝