サプリメントよりもカルシウム摂るなら牛乳で摂ろう
「牛乳は栄養があるのはわかるけど太りそうだから嫌。カルシウムはサプリメントでとれば良い」という人も多いと思います。しかし、牛乳の中にはカルシウムの吸収を良くする成分が入っているので、赤ちゃんの骨ができやすくなります。日本人での調査でも牛乳,小魚,野菜のカルシウム吸収率を評価した結果,牛乳のカルシウム吸収率は他の食品に比べて高かったです。牛乳のカルシウム吸収率が高い理由として,カルシウムの存在形態,乳糖によるカルシウム吸収促進,カルシウムの溶解性を高めるカゼインホスホペプチドが含まれるためです(青江 誠一郎:Clinical Calcium.28: 493-498,2018)。だから、特に骨粗鬆症が気になる年代になったら牛乳をしっかり飲みましょう。
牛乳と並ぶ完全食品である卵を1日2個食べるとコレステロールが上がるという話も根拠が薄いです。「卵はコレステロールが多いから動脈硬化になりやすい」と敬遠されがちですが、卵にはコレステロールの動脈壁への沈着を抑制するリノール酸や善玉コレステロール量を増やすレシチンも豊富に含まれるので動脈硬化の原因にはなりにくいとの説が最近は有力です(吉岡有紀子:栄養の基本と食事の教科書 池田書店 第1版,2017)また、「1週間あたりに卵を何個食べるか」との質問に対して、ほとんど食べないと回答した者の割合は、”健康に気を付けている“群の37.5%は、”健康に気を付けていない”群の8.9%に比べて、有意に高かったです(白川愛子ほか日本食育学会誌.11: 35-45,2017)。なお、卵を1日2個以上食べても、動脈硬化性疾患罹患との関連は認められません
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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