戸田整形外科リウマチ科クリニック

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健康のためエレベーターを止めて階段上りは良いが、階段下りは膝を傷める

「最近、運動不足だからエレベーターを止めて階段を下りよう」と思う方がいると思います。でもそれは、膝を傷める原因となります。階段を下りる時に伸ばした膝を56°曲げた時には膝のお皿の裏の軟骨への圧力が加わり膝の痛みが起きることがあります(鈴木伸治ほか.旭川赤十字病院医学雑.1: 50-52,1987.)。階段を下りる運動をするぐらいならその場で太ももを水平になる足踏みを2分間連続で行った方が良いです。水平足踏みは、腸腰筋というお腹の中の筋肉を鍛えるだけではなく、血圧降下にも効果があります(加藤治秀:日本医事新報4042:42-47,2001.)。 階段を下りる時には大腿直筋という太ももの前にある筋肉がしなやかでないと体が横揺れ(重心動揺)して、スムーズな動きができなくなります。正座は大腿直筋を引き伸ばし柔らかくするとても良いストレッチ運動です。福田先生らは、正座したまま後ろに体を反らす運動で大腿直筋をストレッチすると、スムーズに階段が下りられなかった7人の体の横揺れ(重心動揺性)が即座に減少したと報告しました(福田浩之:理学療法えひめ.28:56-57,2015.)。正座がひざに悪いというのは僕は間違いだと思います。ひざが痛くない方でも正座して体を後ろに反らす運動を時々やってみると体が伸びて気持ち良いですよ。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝