戸田整形外科リウマチ科クリニック

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外反母趾の筋トレには横アーチを矯正しないと効果は少ない

藤井先生らの研究では、外反母趾の角度が大きくなると他の足の趾(ゆび)が横から押されて重なりあい、足の横アーチが崩れてしまい、足の裏にかかる体重のバランスが崩れていました(藤井利夏ほか:義肢装具自立支.4:175-178,2014)そこで、僕は足の中指をクッションで押さえて、自然な横アーチを取り戻そうとかんがえました(戸田佳孝:外反母趾に対する横軸アーチパッド付き足趾五分割靴下と足趾把持訓練の併用効果. 整・災外.61:1417-1421,2018)。 外反母趾の患者さんに5本指靴下の人差し指と中指の間の『趾の股』から1cm手前にウレタンを縫いました。 僕の研究ではこのクッション付き五本指靴下を履いてもらいながら、足の指でタオルを引き寄せる筋トレを行ってもらう患者さんと裸足と筋トレを行ってもらう患者さんの治療成績を比べました。治療成績の比較には足の握力計(把持力計)を使いました。その結果、クッション付き五本指靴下を履いて筋トレをした患者さんでは足の握力が平均1.2kg増加しました。靴下なしでの筋トレでは平均で0.017kgしか増えませんでした。このように、外反母趾に対する足の筋トレは足の横アーチを矯正せずに行っても効果がないことがわかりました。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝