戸田整形外科リウマチ科クリニック

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家庭用体重計で筋力を測りながら筋トレすればモチベーションが上がる

等尺性膝伸展運動を楽しくするために家庭で最大筋力を計測しましょう。計測には浴室においてある体重計を使います。トイレットペーパーが押しつぶされないよう、芯の中にスプレー缶やスティック糊などを入れ、家庭用体重計の上に置きます。そして、脚を伸ばしながらひざの裏でトイレットペーパーを思いっきり下に押しつけ、5秒間で最大の数値を記録します。最大筋力を計測する際の注意点は、お尻は浮かせないことと、足首を下向けに伸ばすことです。 次に、最大筋力の80%になるよう、体重計の目盛りを見ながらトイレットペーパーを数回押さえつけます。「80%」にするのは、筋力トレは最大筋力の75~80%の力で、1種目あたり2~3セット、週に2~3回行うのが最も効率的とされているからです。 たとえば、最大筋力が17㎏だった場合、力を入れる目安は17×0.8(80%)=13.6㎏になりますので約13.5kgで押しつける訓練をしましょう。この80%の力の入れ具合を体で覚えてください。感覚がつかめれば、毎回、体重計を使う必要はありません。バスタオルを丸めてひざの下に置き、2秒間ずつワンセット30回として、80%の力で押さえつければいいのです。これを一日に2~3セット(例えば、朝、夕方、寝る前など)、週に3~4日のペースで続けてください。 4週間後にまたトイレットペーパーを思いっきり下に押しつけた時の筋力を測りましょう。その時に筋力がアップしていれば、次の4週間はアップした筋力の80%の力で筋トレをすれば、モチベーションつまりやる気が起り、筋トレが長続きします。 この筋トレの効果を確かめるために、私は変形性ひざ関節症患者51人を「指導ありグループ」(26人)と「指導なしグループ」(25人)に分け、4週間後に結果を比較する研究を行いました(戸田佳孝ほか:整・災外57:1761-1766,2014)。全員に共通治療としてヒアルロン酸の関節注射を受けてもらっています。 その結果、「指導なしグループ」では、治療前に「ベッドや布団で夜中に痛む」と答えていた25人中18人のうち、治療後に「痛くなくなった」と答えたのは8人(44%)だけでした。 これに対し、「指導ありグループ」では、治療前に痛いと答えた17人のうち14人(82%)が、治療後に「痛くなくなった」と答えました。統計学的にも「指導ありグループ」の方が「指導なしグループ」より明らかに改善率が高い結果でした。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝