戸田整形外科リウマチ科クリニック

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板前さんが人差し指を伸ばして包丁を使う理由と親指のストレッチ

包丁をグーに握って、物を切ると手首を上に挙げる筋肉である橈側手根伸筋という筋肉に負担がかかり、この筋肉のついている肘の外側が痛くなってきます。そこで、指を包丁に添えて手首を固定するのですが、それには人差し指が一番適してします。皆さん、グーの状態から指を伸ばしてみて下さい。人差し指はピーンと伸びますが、中指は伸びにくい、薬指になると完全に伸びない。小指は伸びるが、力が弱いでしょう。人差し指には、示指伸筋という人差し指だけを伸ばす筋肉が着いているので人差し指をピーンと伸ばして包丁を使うと肘への負担が減ります。 「親指も安定しているぞ」と言われる方がいるかもしれません。しかし、親指を伸ばし過ぎると腱鞘炎になりやすいです。親指を立てた時にできるくぼみは、タバコの葉を入れて、嗅いでいたため嗅ぎタバコ入れという名前がついてします。この嗅ぎタバコ入れの付け根では親指を外側に開く筋と上に上げる筋が交叉しています。親指を使う仕事をし過ぎるとこの交叉の部分で腱鞘炎が起こり痛くなってきます。これをドウケルバン氏病とも呼びます。そんな症状には親指を内側に入れて曲げ、反対の手で引っ張るストレッチをしましょう。それでも痛みが続けば整形外科に行って、炎症を和らげる注射を打ちましょう。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝