戸田整形外科リウマチ科クリニック

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火傷は冷やしてはダメ!犬のかみ傷は穴を開けたままにしよう

これはスイスのジェネーバ大学の研究結果です(Tobalem M, et al;. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 66:260-266,2013)24匹のラットの背中に麻酔をした後に熱い鉄板を当て、火傷を作りました。その後、8匹ずつ何もしないグループと17度の冷水で20分間冷やすグループと37度のぬるま湯にひたすグループに分けました。4日後に鉄板の面積に対して皮膚の色が変わっていた面積は冷水で冷やしたグループでは81%、手当しなかったグループでは94%でしたが、ぬるま湯で手当てしたグループは65%にとどまりました。やけどの後を20分も冷やすとかえって皮膚に悪い影響がでます。冷やすのは初めの1分程度にして、後は血のめぐりをよくするためにぬるま湯に浸した方が良いと彼らは報告しています。 犬の口の中にはパスツレアという種類の雑菌がいます。犬に咬まれると、牙の先についたパスツレア菌がヒトの皮下脂肪や筋肉に入ります。皮下脂肪でバイ菌が繁殖すると蜂窩織炎という状態になり、ズキズキしてきます。79%の蜂窩織炎は2週間以内に治りますが、その間にカサブタができてしまうとバイ菌は体の奥で繁殖します。だから、犬に咬まれて2週間はカサブタをめくって消毒液が皮下脂肪までしみこむようにしてください。ちなみに、小型犬でもヒトの急所をよく知っていますので、股の下に入って垂直に飛び上がって咬みつきます。だから犬に咬まれて陰嚢から睾丸が脱出したという報告もあります(吉永 敦史ほか:臨床泌尿器.59:780-781,2005.)論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝