戸田整形外科リウマチ科クリニック

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男性更年期にはたまねぎ、関節炎にはいわし、顎モゴモゴ予防に納豆

整形外科は外科の一種ですから手術で治すのが本業ですが、多くの患者さんは手術を望んでいません。食品で少しでも良くなることを望んでおられます。 男性ホルモンのテストステロンの分泌は20歳代でピークとなり,その後は加齢による精巣の萎縮とともに徐々に低下します。女性でのエストロゲンの変動と比べると低下は緩やかである。テストステロン値が高いほど加齢に伴って増加する肥満,動脈硬化,糖尿病などの生活習慣病が抑制的されます。また、テストステロン低下は骨粗鬆症とも関連します(大中佳三:Clinical Calcium.27:947-954,2017)。タマネギに含まれる含硫アミノ酸がテストステロンを上げることがわかっています。男性が60歳を過ぎたらタマネギ1日半個食べましょう。 サンマ,イワシ,マグロ,ブリ,サバなどの青背魚に多く含まれるドコサへキサエン酸(Docosahexaenoic acid, DHA)や,エイコサペンタエン酸(Eicosapentaenoic acid, EPA)は動脈硬化を予防することで有名です。しかし、DHAやEPAから作られる物質は好中球浸潤抑制やマクロファージによる好中球の非催炎症性貪食といった機能を有する関節炎を沈静化する化学メディエーターとなります(村上孝作:日本臨床免疫学会会誌.39: 155-163,2016.)。変形性ひざ関節症やリウマチの痛みが出てくれば、青背魚を沢山食べましょう。 ホモシステインは活性酸素を出して血管を傷つけるために動脈硬化を起こす悪い物質として知られています。骨はコラーゲンが網のようになりそこにカルシウムが沈着してできあがりますが、ホモシステインはコラーゲンの網をつぶし、骨を劣化させます。一方、納豆は血液のホモシステインの濃度を下げる働きがあるので骨の劣化を予防してくれます(小林 直人ほか富山県衛生研究所年報.40: 72-76,2017)。歳をととってくると顎の骨が劣化してきてモゴモゴした口になりますが、それを防ぐためには納豆が良いかもしれません。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝