貧乏ゆすりが股関節の軟骨を守る。慢性腰痛の原因は股関節かもしれない
カナダの整形外科医ロバートソルター博士は呼吸によって24時間休むことなく動き続ける肋骨の両端には変形性関節症が起こらないことから小刻みな運動(英語でジグリングといいます)が関節軟骨の再生を促すと考え、それを動物実験で証明しました。井上先生は小刻みな動きで変形性股関節症の軟骨を再生するために貧乏ゆすりをしてもらい、良い結果を得ています(井上明生、広松聖夫:「びんぼうゆすり」で変形性股関節症は治る! H&I 第1版,2017)。
また、いつまでも治らない腰痛の原因は股関節を伸ばす筋力低下のことがあります。末廣先生達の研究では何度も腰痛を起こす人と腰痛のない人に腹ばいになってもらい脚を後ろに伸ばしてもらった時の筋電図を計測しました。その結果、腰痛のある人では股関節を伸ばす大殿筋というお尻の筋肉の活動が弱かったそうです(末廣忠延ほか:ヘルスプロモーション理学療法研究.8: 29-33,2018)。その理由はお尻の筋肉が弱くなると骨盤がグラつきまた腰痛が起こりやすいからだそうです。だから何度も腰痛を起こす人は腹ばいになって脚を後ろに蹴り上げる筋トレをしましょう。
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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