骨は端が伸びるのではなく、端の手前の骨端線で伸びる。骨端線を冷やさないで
皆さん、思春期の骨はどの部分が伸びると思いますか?多くの人が関節の軟骨が骨に変わって骨が伸びると思っておられるでしょう。でも関節の軟骨と骨になる軟骨は別物なんです。軟骨はまず真ん中の部分に血管が入り込んでカルシウムが沈着して骨になります。思春期には軟骨は骨の一番端と端の手前だけに残ります。これを骨端線といいます。骨端線の軟骨が分裂して骨を伸ばします。端の軟骨は関節の軟骨になり、関節の動きを滑らかにします。つまり、軟骨には成長軟骨と関節軟骨があります。
骨端線は軟骨ですから、レントゲン写真には写ってきません。成長期の子供のでは全身で104箇所に骨端線があります。スポーツなどで起ってくる成長痛はこの骨端線で起ってきます。骨端線では縦方向だけではなく、横方向にも骨が伸びますので。成人してからも骨が少し出っ張っています。その代表が足首の外側にあるくるぶしです。
足首のくるぶしは大人になってからも骨が出っ張っていますので、その上には脂肪がついている人は少なく、皮膚の下すぐに血管や神経が通っています。また、服で覆われていないことが多いので気流や冷えにさらされやすく、かつ敏感であるため、足のくるぶしと後頭部は部屋の温度や気流の変化を敏感に感じ取ります(Huda et al:.日本建築学会環境系論文集 . 68 巻 574 号 21-28,2003)。だから、冷え症の方はくるぶしを冷やさないようにしましょう。
論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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