ぎっくり腰の予防のため高い所の物を取る時には足を前後に開こう
ぎっくり腰の原因は重い物を持ち上げた時だけではなく、背骨を反らして高い所の物を取ることがあります。背骨を反らせると最長筋という筋肉が腰の骨から肉離れをおこし、腰痛が起こることがあります。なぜならば、最長筋という筋肉はあまりに長い筋肉なので、第3腰椎にも枝を出して、たるまないようにしているからです。でも足を前後に軽く開き、前足に体重を乗せれば、背骨を反らすことできないので腰痛予防になります。だから、腰痛になりやすい人は高い所の物を取る時には足を前後方向に開きましょう。
他のぎっくり腰の原因としてはシャベルを使う作業があります。北海道の理学療法士の先生研究では、肩と腰と太ももの筋肉の活動量を測りながらショベルを使って雪に見立てたおもりを身長の50%、75%、100%,125%の高さに放投げる動作をしてもらいました(田中昌史ほか:北海道理学療法.31:56-60,2014)。その結果、身長の125%の高さでの腰の筋肉の活動量75%の時の筋活動量よりも統計学的に明白に高くなっていました。だから、シャベルを使った土砂のかきだしや雪かきでは身長より低いところに土砂や雪を捨てるようにしましょう。
解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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