変形性関節症の患者さんにはアボカドの味噌汁がお薦めです
アボカドに多く含まれる『アボカド大豆不けん化物』(ステロール)という成分内には、さらにTGF‐βという成分があり、軟骨の土台となる線維を作っています。例えば、傷ができてもカサブタができて治りますよね。TGF‐βは、血小板由来の成長因子で、傷を治して皮膚の再生やコラーゲンの生成をうながし、すり減った軟骨を修復してくれます」フランスの有名な整形外科医であるリキーネ先生の研究では平均2年間の観察でアボガドと大豆からの不鹸化物は重症股OAの関節裂隙狭小化の進行を抑制することがわかりました(Lequesne M, et al.Arthritis Rheum., 47, 50-58,2002.)。このためヨーロッパではアボカドからの抽出成分が変形性関節症の薬として認められています。しかし、戸田クリニックの調査では変形性ひざ関節症のグループではアボカドを食べる回数が週3回の人は2人、4回の人は1人でしたが、ひざ以外が痛むグループでは3回が5人、4回が4人でした。つまり、アボカドを頻繁に食べる人の割合も変形性ひざ関節症グループでは少なかったです(戸田佳孝:日本医事新報 4981号:38-41,2019)。僕が変形性ひざ関節症にお薦めしているアボカドの食べ方はアボカドのお味噌汁です。これならもアボカドと同じぐらい不けん化物を多く含む大豆も一緒に摂取できるからです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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