外反母趾から浮き趾になって足に力が入らない。鼻緒を履こう
外反母趾になってくると、親指の押されて、足の人差し指が上に上がってきます。これを浮き趾といいます。
二谷先生達は小学生,中学生,高校生323名の足長,足幅,母趾角,小趾角,浮き趾者数と浮き趾本数,サイズ差を調査しました(二谷彩,ほか:.靴の医学.33: 60-63,2020.)その結果、小学生の70%,中学生,高校生の90%以上が不適切なサイズの靴を履いている結果となりました。浮き趾は中学生で最も多く,どの学年も第5趾(小指)で浮き趾が最も多かったそうです。つまり、足の趾を締めるような靴を履いている中学生が多いと考えられます。
日本人はもともと草履や雪駄を履いていたので外反母趾の人は少なかったです。外反母趾の定義は、レントゲン写真で足の親指が曲がっている角度である外反母趾角が20°以上です。国内のある病院の調査では57人の外反母趾の患者さんに素足と鼻緒付き履物を履いた時にレントゲン撮影を行いました。その結果、素足の外反母趾角は22.1度でしたが、鼻緒付き履物装着時は平均3度減少しました(柴田義守ほか.日本足の外科学会雑誌.27:133-137,2006.)。海外での研究結果でも30人の外反母趾の患者さんを昼に鼻緒付きの履物を履く患者さんと夜寝る時に矯正装具をつけた患者さんに分け、調査を行いました。その結果、3ヶ月後の痛みの度合いは鼻緒付きの履物履いた患者さんでは、改善していましたが、夜に装具をつけた患者さんでは改善していませんでした(Tehraninasr A,et al Prosthet Orthot Int. 2008 ;32:79-83)。このように、外反母趾に鼻緒付きの履物が効くといっているのは日本人だけではなく、国際的に認められている事実なんです。特に女性は日常生活で鼻緒のついた履物を履くことをお薦めします。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |