外反母趾は装具を着けているだけでは治らない。足の筋トレもしよう!
外反母趾の原因は猿から人間に進化する過程で足の指を使わなくなったため、足の筋肉が軟弱になったためです。
外反母趾を自分で治す方法は、親趾が外側に傾かないように、内側に引っ張る力を鍛えることです。そのためには両方の母趾にゴムバンドをかけ、引っ張り合う方法などがあります。しかし、関西医療大学の吉田先生らの研究では(吉田隆紀ほか.理学療法科学.31:857-863,2016)外反母趾の形を真っ直ぐに戻すような靴下を履きながら運動療法をした患者さんでは外反母趾の角度が矯正されましたが、運動療法だけを行った患者さんでは矯正されなかったそうです。僕は外反母趾の筋力トレーニングをするときにはクッション付き5本指靴下をお薦めしています。クッション付き5本指靴下は戸田メディカルエビデンスで販売しています
Kim先生達は装具装着と足趾を広げる運動を8週間一緒にした外反母趾患者さんではレントゲン写真で評価したジッとしている時の親指の角度と運動している時の親指の角度が明白に減り、エコーで評価した外転筋の断面領域が明白に増えましたが、装具を装着しただけで運動を一緒にしなかった患者さんでは変化はなかったと報告しました(Kim MH, et al.J Phys Ther Sci. 2015 Apr;27(4):1019-22.)。このように外反母趾には装具と訓練を一緒にすることが効果的です。装具任せにしても治りません。
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
前の記事へ | TOPヘ | 次の記事へ |