育児ストレスを和らげるためには保健師が参加するオンライン会議に参加しよう
このところ、虐待死や無理心中に関するニュースが増えているように僕は思います。2022年2月愛知県一宮市で幼い姉妹3人が母親に首を絞められ死亡しました。この母親は3人の子供を一人で育児する。いわゆるワンオペ育児だったそうです。最近育児ストレスを感じるお母さんが増えているそうです。その理由の一つは、新型コロナ感染症によって高齢の実家の両親からの協力や情報が得にくい点が挙げられます
では、夫は頼りになるでしょうか?武石先生の解説では夫の家事関連時間は10年前より6分の増加にとどまり,さらに育児期にある父親の13.6%がうつ状態となっています(武石陽子ほか: 助産雑誌 .73:762-767、2019.)。最近は育児に関する情報をスマホ/SNSに頼る母親の割合が増えていますが、コロナ禍に入って、その傾向はますます強まっています(古野 陽:小児内科 52:1835-1839,2020.)。しかし、僕はスマホ/SNSから得る情報だけでは不十分で質問して答えてもらうコミュニケーションが重要だと思います。
明野先生らの調査では、保健師を目指す学生が複数の育児家庭とzoomで会議を開いたところ、お母さん達からは他の母親との交流や共感に役立ったそうです(明野聖子ほか:北海道医療大学看護福祉学部紀要.28: 47-55,2021.)。SNSで話すのは矛盾していますが、SNSだけでは育児のコツは学べない。やはり、モニターを通じてでも保健師と複数のお母さんの参加するオンライン会議で悩みを相談した方が良いと僕は思います
論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
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