貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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ふじみ野市事件の再発予防:引きこもりは母親の責任ではない。全国に110万人もいる。

2022年1月28日にふじみ野市で起こった事件の動機として渡辺宏容疑者は、「母親が死んでこの先いいことはないと思ったので、死のうと思った」と語っているそうです。渡辺容疑者は66歳で無職。92歳の母親と二人暮らしだったそうです。詳しい家庭環境はわかっていませんが、20歳の時から子供が30年間引きこもると子供は50歳、親は80歳になるという8050問題の約10年後で9060として渡辺容疑者は引きこもっていた可能性があると僕は思います。 加藤先生の解説によると6ヵ月以上にわたり、仕事や学校などの社会に参加をせずに家庭内にとどまっている現象を「社会的ひきこもり」といいます。ひきこもり者の人の数は110万人を超えていると言われています(加藤隆弘: 地域ケアリング.22: 48-52,2020.)。 。宮崎県の人口が107万人ですからいかに引きこもりの人が多く、もはやめずらしいことではないと言われています。8050問題に加えて、コロナ禍による外出自粛で、いま、ひきこもりの予防やその打開は緊急の課題であると加藤先生は述べておられます。 また、塚本先生が指摘しているように、子供がひきこもった原因は母親のせいと言われて母親が家庭内で孤立する問題やひきこもりの人のいる家族全体が地域社会からの孤立する問題があります(塚本千秋:: 公衆衛生 85: 661-667,2021.)。全国に110万人もいるのですから子供が引きこもっていることを恥かしがらずに話せる地域社会が必要だと思います。 後藤先生が解説しているように引きこもりの解決は就職ではなく、家族以外とのコミュニーケーションをも持つことです(後藤美穂:公衆衛生 .85:680-685,2021.)。つまり、学校や会社に行けなくても最寄り駅の駅前の大衆食堂に行って、店の人と雑談できれるようになれば今回のような事件の再発予防になると僕は思います。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝