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- 腰痛
- 2006年に発表されたヨーロッパ腰痛専門医の治療方針では「長い間続く腰痛の人の脳には異常がある。だから、腰痛には脳の治療をすべきだ。」と書かれています松平 浩:Locomotive Pain Frontier .4:76-83,2015.).これを腰痛に悩んでいる人が聞くと「失礼な事を言うな!この痛みを気のせいだというのか?」と怒りだすかもしれません。でも、気のせいだと言っているのではありません。腰痛のため長い間不自然な姿勢をして生活したストレスが脳にダメージを与え、それが自律神経失調症を起こし、血管が上手く血液を配分することができず、また腰痛が再発という意味です。ではストレスから来る脳のダメージはどのように治せば良いのでしょうか?「運動療法は慢性の腰痛の治療手段としてのみならず再発対策としても良く効く可能性が高い」と書かれています。江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
原因不明の痛みにも運動は効く!
- 腰痛
- ふとっていると腰部にかかる負担が大きいので腰痛になるのが心配ですよね。国内のある大学の研究では肥満している人の腹部のCTの断面図を調べてみました。その結果、内臓脂肪の面積が大きく、かつ大腰筋の面積が小さい人で腰痛が多かったそうです(中村英一郎ほか:日本整形外科学会雑誌84: 440-445,2010.)。つまり、内臓脂肪が多くても股関節をつり上げる筋肉である大腰筋を鍛えていれば、肥満していても腰痛にはなりにくいのです。お相撲さんは肥っているのに腰痛になりにくいのは四股を踏んで大腰筋を鍛えているからだと言われています2)。でも、肥満した人が四股を踏むと「部屋に入るんですか?」などとからかわれるでしょう。だから、替わりに水平足踏みで大腰筋を鍛えましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
肥満の人の腰痛予防には四股ふみが良い。でも、それでははまりすぎなので水平足踏みをしよう
- 腰痛
- 立ち上がる時に「よっこいしょ」と言うと「年寄りくさい」とバカにされますよね。でも、ある研究では、健康な男性に高さの台からの立ち上がり動作を,かけ声有りとかけ声なしの時に行ってもらい、筋電図を測りました(櫻井佳宏ほか:理学療法学.39:抄録.2 697頁,2012)。筋肉の活動は腰の背筋(腰部脊柱起立筋),太ももの外側の筋肉(外側広筋)とスネの前の筋肉(前脛骨筋)の3つ筋肉で測りました。その結果、掛け声ありでは3つの筋肉がほぼ同時には活動開始しましたが、掛け声なしでは腰の背筋に遅れて他の筋肉が活動しました。つまり、立ち上がる時に腰の筋肉だけに負担がかからず、太ももやふくらはぎの筋肉も協調して働いてくれるのでギックリ腰が防げると考えられました。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
再掲載:立ち上がる時に「よっこいしょ」と言うと腰痛予防になる
- 腰痛
- 腰部脊柱管狭窄症になると腰を前屈みにした方が神経の管が広がるので、腰を曲げる癖がついています。腰を曲げていると腰と太ももを結んでいる大腰筋という筋肉が縮んでいます。手術をすると背骨が真っ直ぐになりますが、筋肉は縮んだままです。国内のある大学の調査では、手術して骨が真っ直ぐになった患者さんでは縮んだ大腰筋に引っ張られて手術していない骨に負担がかかっていました(井川達也ほか:臨床バイオメカニクス37:91-95,2016)1)。だから、股関節を曲げる訓練をして大腰筋を柔らかくしましょう。方法は太ももを水平になるまで足踏みをできるだけ早くおこないましょう。20秒間に水平足踏みできる回数の標準は70歳代では、男性で32回、女性で29回です。64歳以下では男性38回、女性は35回です。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
背骨の変形を矯正する手術後は水平足踏みで股関節の筋肉を柔らかくするべきです
- その他
- 女性ホルモンは骨に栄養を与えるのに、重要な働きをしています。しかし、月経がなくなる頃から女性ホルモンの分泌が少なくなり、密に詰まったいた背骨の骨の中がスカスカになってきます。このため、ちょっとした刺激でも腰の骨が押しつぶされるような骨折(圧迫骨折)を起こしやすくなります。そして沢山の腰の骨に押しつぶされたような変形がでると、背骨全体が曲がってきます。だから、月経のなくなる頃には特に、運動をして骨を鍛えましょう。解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝