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- 変形性膝関節症
変形性ひざ関節症になってO脚変形が強くなると、痛みから逃げるために、脚を内側に回すように歩きます。脚を内側に回すとそれにつられて足も内側に回ります。そのため、足の親指にかかる重心がかかるので外反母趾が強くなり、足の裏の横向きのカーブが押しつぶされます(清水新悟ほか:靴の医学.24: 90-93,2011.)。その状態で我慢して歩いていると、ひざの治療によって膝の痛みが楽になった後にも外反母趾と横軸アーチの低下は残り、それが歩行困難の原因となり、脚の筋力を低下し、ひざにかかる負担が増え、また膝が痛くなるという悪循環が生じます。だから、長い間膝の痛みのある患者さんでは外反母趾や足の横アーチの矯正も必要となります。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
ひざの痛みが長引けば、足の矯正も必要です
- 腰痛
2000年代になってから脳の活動が画像で見えるようになりました。腰痛が長びいている人の脳の活動を見ると、痛みに関係する脳の部分だけではなく、感情に関係する辺縁系や物事の判断に関係する前皮質にまで変化がでていました(半場 道子.医学のあゆみ260:135-140,2017)。つまり、腰痛が長引くと痛みを恐れる感情が強くなり、痛みを実際よりも強く判断してしまいます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
長引く腰痛はやる気と判断力を下げる
- 変形性膝関節症
変形性ひざ関節症対する筋力トレーニング(筋トレ)として最も有名な運動は椅子に座って、足を垂らした状態から膝を伸ばして大腿四頭筋訓練を鍛える方法です。しかし、この筋トレでは、股関節を内側に閉じる内ももの筋肉(内転筋)や外側に開くももの外側の筋肉(外転筋)の筋力は強くなりません。股関節の外転筋力が弱いと歩いている時に骨盤が揺れるのを防ぎ、膝にかかる負担を減らす働きがあります(Sled EA,. et al.: Phys Ther. 90:895-904,2010)。また、股関節の内転筋が衰えてくると膝のお皿の骨(膝蓋骨)を正常の位置につり上げることができずに膝蓋骨を上内方へ牽引する力を弱め、膝蓋骨と太腿の骨(大腿骨)の噛み合わせが悪くなり、膝蓋骨と大腿骨の間の軟骨がすり減ってきます(高松敬三:.久留米医学会雑誌.74:23-32,2011)。だから、変形性ひざ関節症の筋トレでは股関節を動かす内転筋や外転筋の筋トレも行う必要があります。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
股関節の筋トレがひざにかかる負担を減らす
- 腰痛
腰痛のリエゾン(フランス語で連携)療法では、それまで、「痛みのせいで何もできない」という認識を、「痛みがあってもやれることはたくさんある」という方向に意識を変えていきます。例えば、腰痛や膝の痛みがあっても太腿を高くあげる足踏みならできる人が多いでしょう。できる運動をすれば、脳内から内因性のオピオイド物質(鎮痛成分)が放出され、天然の痛み止めになります。痛いからといって痛み止めの薬を飲むよりは、できる運動をする方が副作用もありません。解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
痛みがあってもできる運動をすれば痛みは和らぐ
- 腰痛
2006年に発表されたヨーロッパ腰痛専門医の治療方針では「長い間続く腰痛の人の脳には異常がある。だから、腰痛には脳の治療をすべきだ。」と書かれています松平 浩:Locomotive Pain Frontier .4:76-83,2015.).これを腰痛に悩んでいる人が聞くと「失礼な事を言うな!この痛みを気のせいだというのか?」と怒りだすかもしれません。でも、気のせいだと言っているのではありません。腰痛のため長い間不自然な姿勢をして生活したストレスが脳にダメージを与え、それが自律神経失調症を起こし、血管が上手く血液を配分することができず、また腰痛が再発という意味です。ではストレスから来る脳のダメージはどのように治せば良いのでしょうか?「運動療法は慢性の腰痛の治療手段としてのみならず再発対策としても良く効く可能性が高い」と書かれています。江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝