貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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約2万回の注射の研究から膝に注射を打った当日の風呂は我慢しなくて良い!

変形性膝関節症説明
約2万回の注射の研究から膝に注射を打った当日の風呂は我慢しなくて良い!注射の当日風呂膝に注射をした後の患者さんのお決まりの質問は「今晩、お風呂に入っていいですか?」という質問があります。確かに、40年ほど前までは一度焚いたお風呂を翌日も焚き直し、その湯船からお湯を汲んで体を洗うことが多かったので入浴で雑菌が入ることがありました。でも現代の日本ではシャワーで体を洗うことが多いので衛生的です。国内のある病院では、304名(注射件数4021件)の人には当日の入浴を許可し、641名(15733件)の人には当日の入浴を禁止し、その後の感染症が起きる確率を比べました(手島隆志ほか:中部日本整形外科災害外科学会雑誌 59: 581-582,2016.)。その結果、入浴許可群では感染症は一人も起きず、入浴禁止群で感染症が一人起きたそうです。このため、この論文では「膝関節注射後当日の入浴許可は安全である」と書かれています。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

足のむくみの治療は整形外科の専門分野ではないことが多い

その他
足のむくみの治療は整形外科の専門分野ではないことが多い足のむくみは、血液や水分が心臓に戻らずに重力の関係で足にたまるために起こります。腎臓や心臓や甲状腺の働きが弱かったり、血液の中のタンパク質の成分が少なくなることが原因の場合は内科の先生の専門分野です。また、静脈やリンパの流れが悪くなっている場合は外科の先生の専門分野です。つまり、整形外科の病気である可能性は低いです。「足の症状だから、整形外科が専門だろう?」とお叱りを受けることが多いのですが、内科や外科の先生に相談なさった方が良いです。江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

低い位置での作業は、前かがみよりも膝を突いた方がバランスをくずしにくい

腰痛説明
低い位置での作業は、前かがみよりも膝を突いた方がバランスをくずしにくい作業姿勢の後に真っ直ぐ立つ姿勢に戻る時にバランスを崩したり、転倒することがあります。アメリカのDiDomenico博士らは、55人の男性に腰を曲げて前にかがむ、しゃがみこむ、ひざをついて座る、ひざをついて前にかがむの4つの姿勢をした後で真っ直ぐ立った時に重心が安定するまでの時間を計りました(DiDomenico A, et al: Ergonomics.59:1288-1293,2016)。その結果、腰を曲げて前にかがむとしゃがみこむの後に立ち上がると体の重心がふらつきやすかったですが、ひざをついて座ったり前にかがむ姿勢の後では体の重心はすぐに安定しました。このため、低い位置で仕事をしなければならない時には前にかがんだり、しゃがみこむよりも膝を突いた方が立ち上がった時の体の重心が安定します。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

股関節が痛くなったら1歩の長さを長くしましょう

説明
股関節が痛くなったら1歩の長さを長くしましょう足を組むのが難しくなったら1歩生まれつき股関節が開きにくい股関節形成不全は、男子より女子に多く、女子の2~7%に起こります。股関節形成不全症があると、股関節の動きが悪いので、座って足が組みにくい、立ったまま靴下やブーツが脱ぎにくいなどの症状があります。国内のある大学では股関節にかかる負担を減らす歩行法について検討しました(小林慶弘ほか:臨床バイオメカニクス37: 77-84,2016)。その結果一歩の長さを少し広げることにより、股関節にかかる負担が減り、同時に股関節周囲筋肉の筋電も有意に増加しない歩行法でした。だから、立ったまま靴下やブーツが脱ぎにくくなった時には一歩の長さを長くしてみましょう。江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝

再掲載:病院で健康保険を使って造る装具は値段が高すぎる

変形性膝関節症説明
再掲載:病院で健康保険を使って造る装具は値段が高すぎる義肢装具士が造る足底板は高すぎる義肢装具士が作製する装具には患者さんへの手渡しまでに時間がかかるという欠点があります。また、すべての部分が手作りではないにも関わらず、その価格設定が高価であるように私(戸田)は感じます。変形性ひざ関節症に対する足底板に場合、日本義肢協会が編集した「補助具の種目、受託報酬の額等に関する基準」によると、採型足底板の価格は片側で基本価格が10,800円で熱可変性樹脂費が6,900円の計17,700円であり(保険3割負担の患者の場合、患者負担は5,310円、保険負担が12,490円)、両側では35,400円です。社会一般では、電化製品に代表されるように商品の価格は製造工程の合理化などによって時代とともに下がるはずです。しかし、医療現場で作製される義肢装具は第2次世界大戦での戦傷者のために設定された戦傷病者特別援護法によって変形性ひざ関節症のような年齢の変化で起こってくる病気に対する装具でさえ値段が保護されています。私(戸田)は義肢装具士に足型をとってもらって17,700円しなくても、患者さん自身が自宅で足形に沿って足底板を切ってもらえば、もっと安価に足底板ができると考え、足首バンド付き靴の中敷きを考えました。文責:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝