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- 変形性膝関節症説明
広島大学の越智先生が発表されたアテロコラーゲンを膝の軟骨の欠けた部分に移植する方法は、すでに健康保険の適応となっています。島根医大のグループはこのアテロコラーゲンを移植した後の4人の患者さんのMRIを撮影しました(林貴史,ほか.日本磁気共鳴医学会雑誌.28: 95-100,2008.)。その結果、軟骨の層構造やコラーゲン線維が天然の軟骨に比べて少なかったですが、T1postという方法では天然と移植部の間にほぼ差はなかったです。例えると不謹慎かもしれませんが、養殖のマグロの味が天然のマグロの味に近くなったことに似ていると僕は思います。論文の解説江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
膝の移植軟骨はもう少しで天然に追いつく
- 腰痛説明
最近は、これまで適応が困難であった年齢の変化による背骨の変形に対して最小侵襲脊椎安定術(minimally invasive spine stabilization, MISt)が行われるようになってきました。しかも傷跡がほとんど残らない経皮手術の技術も進歩してきました。岡山大学では椎弓スクリューを刺入した後、SAIスクリューを挿入し、経皮的に手術を行って、とても良い成績を出しています(瀧川朋亨ほか:.整形外科最小侵襲手術ジャーナル76: 39-47,2015、)。但し後方経皮手術の限界は骨移植できない、後方解離ができない、ロッド操作が困難。後方からの経皮手術で矯正できる角度は10°が限度という点です。しかし、これらの限界も今後の医療の進歩で克服されるかもしれません。論文の解説江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
大きく切らずに背骨を矯正するのは10°が限度
- ダイエット説明
食事制限を行っても必ず体重の減るのが止まる時期がきます。これは適応現象(Adaptive phenomenon)は、さらなる体重減少をやめさせることにより今まで通りの生活を送れるように体が無駄なカロリー消費を止め入ってくるカロリーに合わせてくる現象です。まるで家計簿みたいですね。この適応現象を克服する方法として大塚先生らは体重の減少が止まったら一度標準食(1kgあたり35キロカロリー、体重60kgの人は2100キロカロリー)に1週間戻し、再び元の食事制限に戻す方法が良いと報告されています(大塚史子ほか:糖尿病 47:635-641,2004)。まるで節約しようとしたら宝くじが当たり、また贅沢に慣れてしまと貯金(脂肪)を消費するようなものですかね。論文の解説江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
ダイエット中体重の減りが停滞したら、1週間沢山食べよう
- 変形性膝関節症説明
受験生がやる気を出すときに鉢巻きをしますよね。それと同じようにブラジル・サンパウロのBryk先生の研究では74人の変形性ひざ関節症の患者さんに膝巻きをすると10フィート先の目標まで行って帰ってくる速度が速くなったそうです(Bryk FF, et al. Rev Bras Reumatol. 51:440-446,2011)。その理由はひざの周囲を圧迫することによって膝に意識が傾き、膝が痛くなるような姿勢をとらないようになるからです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
変形性ひざ関節症患者さんにひざ巻きをすると歩くスピードが上がる
- 変形性膝関節症説明
1+1=2ですから片方だけの変形性ひざ関節症の人より両方の変形性ひざ関節症の患者さんの方が生活が不自由なような気がしますよね。米国デルウエア大学のMarmon先生は84人の片方だけの変形性ひざ関節症患者さんと 68人の変形性ひざ関節症患者さんの間で椅子から立ち上がり歩く速度や階段を登るテストなどを比較しました(Marmon AR et al. Arthritis Care Res. 65:406-13,2013)。その結果、片方でも両方でもこれらの評価は変わりませんでした。不思議なものですね。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝