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- 高級イチゴは値段が高いし、効率の良い職業のように見えるかもしれませんが、大変な仕事のようです。ビニールハウスでのイチゴ栽培は5月から次の4月までズーと働き続ける仕事ですし、収穫期間は5ヵ月間にもおよびます(末永隆次郎.ほか:日本農村医学会雑誌.35:134-146,1986.)。収穫では前かがみで行う作業が多いので腰痛が起こり易いのですが、その作業がズーと続くので、治る暇がありません。国内のある大学の調査では、イチゴを作っている1133人の中で男女ともに73%以上の人、つまり4人中約3人が腰痛に悩んでいました(百瀬 義人ほか:日本農村医学会雑誌 54:97-106,2005)。立ち仕事が中心の半導体を作っている人でも腰痛の人は56%ですし、すべての労働者で腰痛を感じている人は30%前後ですから、この73%以上という数字は驚異的な数字です。だから、おいしいイチゴは、農家の人達の腰痛の賜物であることを感じながら、食べましょう。文責:戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
イチゴ農家では4人中3人が腰痛に悩んでいる
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- 国内のある病院の調査ではアキレス腱を切った30歳未満の患者さん29人中13人(45%)でアキレス腱を切る2~3週間前から運動している時にアキレス腱に鈍痛やつっぱり感があったそうです(中山正一郎ほか:中部日本整形外科災害外科学会雑誌.39:1461-1462,1996.)。アキレス腱は、踏み込み・ダッシュ・ジャンプなどの動作でふくらはぎの筋肉が急激に収縮した時に切れやすいです。だから鈍痛やつっぱり感といった兆候があった時には、踏み込み・ダッシュ・ジャンプなどの運動前には十分、ストレッチ運動をしましょう2)。ちなみにアキレス腱が切れる時には、「ふくらはぎをバットでたたかれた感じ」などの衝撃を感じることが多く、断裂した時の音が自分や周りの人に聞こえることがあります。吹田市江坂戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
アキレス腱が切れる前触れがあったら要注意
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- 最近は異常気象が多くて豪雪地帯でないところでも雪かきや大雨で土砂のかきだしが必要な場合があります。北海道の理学療法士の先生研究では、肩と腰と太ももの筋肉の活動量を測りながらショベルを使って雪に見立てたおもりを身長の50%、75%、100%,125%の高さに放投げる動作をしてもらいました(田中昌史ほか:北海道理学療法.31:56-60,2014)。その結果、身長の125%の高さでの腰の筋肉の活動量75%の時の筋活動量よりも統計学的に明白に高くなっていました。だから、ショベルを使った土砂のかきだしや雪かきでは身長より低いところに土砂や雪を捨てるようにしましょう。戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
雪や土砂を身長の75%以上の高さに放り投げると腰痛が起こる
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- 最近は子供が火をつけにくくするために、ライターやチャッカマンの握りが硬く、握力の弱い人には使いづらくなりました。サウジアラビアの大学の研究では、握力は転倒したことのある高齢者より転倒したことのない高齢者の方が強かったそうです(Rouzi AA et al: Menopause. 22:1012-1020,2015)。その理由は、握力が保たれていれば、転倒しそうになった時に周りの物を掴んで体を支えることができるからです。だから、普段から硬く感じるフタやライターでも頑張って使っていると握力が弱くならず、転倒骨折しない可能性が高く、寝たきりにならないと僕は考えます。文責:戸田整形外科リウマチ科クリニック 戸田佳孝
日頃から固い物を握っていると寝たきりにならない
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- ぎっくり腰の原因は重い物を持ち上げた時だけではなく、背骨を反らして高い所の物を取ることがあります。背骨を反らせると最長筋という筋肉が腰の骨から肉離れをおこし、腰痛が起こることがあります。なぜならば、最長筋という筋肉はあまりに長い筋肉なので、第3腰椎にも枝を出して、たるまないようにしているからです。でも足を前後に軽く開き、前足に体重を乗せれば、背骨を反らすことできないので腰痛予防になります。だから、腰痛になりやすい人は高い所の物を取る時には足を前後方向に開きましょう。文責:戸田整形外科リウマチ科クリニック 戸田佳孝