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- 変形性膝関節症説明
- 以前にカリフォルニア大学の研究では、45歳を過ぎると47%で半月板が割れていたので、手術する必要はないことが多いという話をしました。国内の研究でも116人の片方の膝が痛くて病院に来た人のMRIを撮影する時についでに痛くない方の膝のMRIも撮影し、痛くない膝の半月板がどうなっているかを調べました(福田昇司ほか:.東京膝関節学会会誌 15:208-210,1995.)。その結果、内側の半月板では後ろの部分が前の部分よりも老化が早く、40歳以上では後ろの部分の変性(半月板がカスカスになる現象)が過半数にありました。また、60歳以上では半数以上で内側の半月板の後ろの部分が断裂していました。このように、悪くない膝でも半月板は年齢の変化でカスカスになり、自然と割れていきます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
日本人でも40歳を過ぎれば、半数以上で半月板が変性している
- 変形性膝関節症説明
- カリフォルニア大学サンフランシスコ校のStehling先生らは変形性膝関節症が起こる前の膝に痛みのない中年では身体活動性とMRIで見た膝の異常との間には関連性があるのかどうかの調査を行いました(Stehling C, et al:Osteoarthritis Cartilage. 18:776-86,2010)。45歳から55歳までで、膝の痛みがなく、極度の肥満がない(BMI19~27)236人(男性100人、女性136人)の膝のMRI撮影を行い、身体活動性との関連性を調べました。その結果、47%の人で半月板に傷があり、74.6%の人で軟骨が損傷しており、40.3%の人で骨髄が浮腫になっており、17%の人で靱帯が損傷していました。しかも、身体的活動性の高い人では軟骨や半月板や靱帯に異常がある確率が高かったです。だから、中年以降に「半月板が割れているから手術しましょう。」と医者に言われても一人の医者の意見を信じず、他の医者の意見も聞きましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大整形外科非常勤講師 戸田佳孝
45歳過ぎて医者から「半月板が割れているから手術しましょう」と言われてもすぐに信じないで下さい
- スポーツ説明
- 私が日頃整形外科の診察をしていると、捻挫で来られる患者さんは男性よりも女性が圧倒的に多いです。ほとんどの捻挫は足を内回しにした時に起こります。例えば、ハイヒールをはいて階段を下りる時に足を踏み外した時に足が内側にねじれた時に起こります。ある研究では健康な男子大学生25名(50脚)と女子大学生25名(50脚)の足首の動きを比較しました。その結果、足首の内回しと外回し動きは、男性に比べて女性で統計学的に明白に大きかったです(三谷保弘:理学療法科学.27: 665-670,2012)。つまり、足首の内返しの可動域が大きい女性では、捻挫を起こす肢位をとりやすいのではないかとこの論文では結論づけています。女性の皆さん、足首の捻挫に気をつけて下さいね。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
女性は男性より足首が柔らかいから捻挫も起こり易い
- 筋肉トレーニング説明
- 筋肉の老化は関節を曲げる筋肉よりも伸ばす筋肉、上半身の筋肉よりも下半身の筋肉の方が顕著に現れてきます。30歳の時の筋力を100%とした時に、70歳の時の膝(下半身の関節)を伸ばす筋力は40%まで落ちています。しかし、総務省が行った2011年社会生活基本調査では、60歳以上の人が行っている多い運動は、1位がウォーキング・軽い体操(35.2%)、2位がボウリング(12.8%)でした。たしかにボウリングはゲームなので楽しいスポーツですが、筋力のことを考えれば、自転車やエアロバイクなどの下半身の伸ばす筋力を使うスポーツの方が健康には良いと思います。解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
高齢社にはボウリングよりも下半身の運動が良い
- 腰痛説明
- 自分で肩と腰の痛みを予防する方法としては、ヤンキー座りで背筋を伸ばしながら、肩を後ろに伸ばし、手を上下に動かせば、肩の筋肉も腰の筋肉もいっぺんに伸ばすことができ、肩や腰の痛みの予防になります(戸田佳孝、臨整外、50、579~584、2015)。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝