ニュースNews
- 老化説明
2004年にイタリアで行われた研究では大豆イソフラボンを1日150mg 5年間摂取させたところ、3.8%(6名)に子宮内膜増殖症が発生した報告されました。この結果を受け、内閣府食品安全委員会は2006年に食品から摂取する量を加味し、イソフラボンの安全な上乗せ摂取量上限値を1日30mgとしました。廣瀬先生の研究では1日25mg. 8 週間という低用量かっ比較的短期間でのイソフラボンの摂取でも更年期の抑うつ症状、不眠症が解消されました(廣瀬明日香:低更年期と加齢のヘルスケア.16: 91-94,2017.)。例えば、飲んでいる健康食品が種類だとしてそれぞれに大豆エキスが入っている場合、1日イソフラボン30mgを超えてしまいます。健康食品は必要最低限にしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
健康食品を多種類飲んでいるとイソフラボンの取り過ぎになるかもしれない
- 若い人の整形外科説明
大豆の中に含まれるイソフラボンは女性ホルモン(エストトロゲン)と構造が似ているため健康食品に多く含まれています。しかし、小原先生達は健康な成人女性4名を対象に5月経周期を対象期間とし,3月経周期目にイソフラボン25 mgを含むサプリメント(大豆イソフラボン, DHC社製, 1日1回1回2錠)を約1ヶ月間摂取してもらい、その前後2月経周期を比較期間としました。その結果、イソフラポンサプリメント摂取前と摂取後を比較したときに,平均4.8日延長しました(小原映ほか:杏林医学会雑誌.50:125-130,2019.)。原因がイソフラボンとすぐに分れば良いのですが、分らない時は驚くかもしれません。サプリメントで急に大量イソフラボンを摂るよりも食品でゆっくりと量を増やした方が良いと僕は考えます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
イソフラボンで月経周期が延びる。健康食品ではなく大豆から摂るべき
- 若い人の整形外科説明
変形性ひざ関節症の原因の一つは肥満です。小児肥満(平均12.7歳)の68.8% が成人肥満(平均38.4歳)へ移行することが報告されています。その移行率は非常に高い。ゆえに成長期に肥満にならないことが重要です。佐々木先生達は2007年度に小学5年生として検診に参加し,2010年に中学2 年生として4年間成長期に追跡可能であった147名の体力を測定しました。その結果、運動クラブを辞めた生徒では筋肉の量が明白に少なくなっていました(佐々木英嗣ほか:日本臨床スポーツ医学会誌 22: 241-245,2014.)。成長期において特に女子では獲得筋量は少なく, 体脂肪率の有意な増加がみられた,部活動への参加により体格は大きく成長したが,継続できない生徒では体脂肪率が増加しました。だから、中学時代に運動習慣を身につけることは将来の変形性ひざ関節症に重要です。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
将来変形性ひざ関節症にならないために中学時代には運動を継続しよう
- 説明頸椎
むちうち症の患者さんの診療状況を分析した竹内先生達の研究では、通院で治療した患者さんの平均治癒期間63日であり、3ヶ月後には75.7%の患者さんで治っていました。しかし,人院で治療した患者さんの平均治癒期間は143.9日であり、3か月時点での治癒率はわずか31.5%でした。つまり、人院して安静にする方が治りにくくなると考えられました(竹内孝仁: MB Orthop.12:9-13,1999.)。むちうち症の治療の原則は、1)患者さんの訴えをよく聞いて安心感を与える.2) 頚の痛みだけなら日常生活や仕事を制限しないようにすること。3)嘔気や嘔吐,めまいが強いときは,数時間のみの安静臥床をする。4)頸椎カラーは激しく痛む時のみ装着しますが、72時問以上は着用しない。だから、話を良く聞いてくれる医師にかかるのが一番良いのですが、そういう私自身忙しく一人一人のお話をじっくり聞けません。だから、前向きになれるカウンセリングを受けられる相手を見つけましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
むち打ち症は入院すると返って痛みが長びく
- 若い人の整形外科説明
子どもなのにお年寄のように全身のどこかの関節が痛む子が増えています。松田先生らの調査では現在疼痛のある児童は17.0%(61 人)、多い部位は膝(20人)、足首(18人)、腰(12人)の順で多かったです(松田雅弘ら:調査研究ジャーナル.5: 111-119,2016.)。関節の痛みがある児童は睡眠が短く、両腕を体側に沿えた腹臥位から勢いをつけずに、上体を床から起こして保持させた「からだ挙げ」ができず、外遊びの時間が短いという特徴がありました。また、転倒しやすい児童は片脚立位やしゃがみ込みができず、からだ挙げの運動ができず、睡眠時間が短いという特徴がありました。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝