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- 変形性膝関節症説明
僕が毎日診療をしていると「ひざを冷やさないため」という理由で、多くの患者さんが「円筒状の布」を靴下のようにひざに履いています。多くの日本人が、この円筒状の布を「サポーター」と呼んでいます。 しかしこれは、サポーターのようでサポーターにあらず。専門家から見ると「サポーターもどき」とでも言うべき代物(しろもの)です。 この円筒形の布は保温には役立つかもしれません。しかし、サポーターの本来の目的は保温ではありません。ひざを締めつけることによって、ひざにある感覚レーダー(固有知覚)を鋭敏にすることにあるのです。 固有知覚とは、目で見なくてもひざを適度に曲げたり、伸ばしたりできる感覚のことです。たとえば、階段を上る時にいちいち段差を見なくても、多くの人は適切な角度にひざを曲げ、次の段に足をかけることができます。 これが固有知覚です。 固有知覚を鋭敏にするためには、「円筒形」のサポーターよりも、「巻く型」のサポーターの方が効果的なことがわかっています。 円筒形では初めはきつく感じても、サポーター本体の繊維がゆるむことと体が慣れることで、時間とともに締め付けられる感覚が弱くなっていきます。 しかし、巻く型では着けるたびに面テープの位置を少しきつく調整することで、締め付けられる感覚を持続できます。解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
サポーターは「円筒形」ではなく「巻く型」を選ぼう
- スポーツ説明
スポーツ選手の多くが試合中に、巻く型のサポーターを着けています。サポーターを巻くとひざを意識するようになるので、ひざのまわりの筋肉をうまく使うことができ、痛みが出る横揺れや前後への揺れが少なくなってくるからです。 私の研究でも、27人の変形性ひざ関節症患者さんに重心動揺計に乗ってもらい、30秒間でどれだけ重心が動いたかを測ってみたところ、巻く型のサポーターを着ける前に比べて着けた後では、動いた距離が平均*2・1%も減っていました(戸田佳孝ほか:片側変形性膝関節症患者の両側膝に軟性装具を装着させる意義-重心動揺からの考察-整形外科.61:57-61,2010)。 ですから、ひざに痛みのある人が運動をする際には、ひざの痛みが出る横揺れや前後への揺れを防止するために、スポーツ選手と同じように巻く型のサポーターを着けることをおすすめします。そうすればひざが安定して、痛みの悪化も防ぐことができます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
サポーターを巻くと前後左右方向への体の揺れが減る
- 五十肩説明
正解はAです。 Aについては、急停車などで、急に握り棒をつかんだ場合などには、 肩に大きな負担がかかります。こういったときに五十肩の人は、肩に鋭い痛みが走ります。通勤時にこういったことで痛い思いをされた方も多いことと思います。握り棒をもつ時などは、なるべく肘を締めて肘を体に近い位置にして持ってください。肘を締めることで、引っ張られる力が肩にかかるのを軽減します(http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/1150gata.htm)。Bのポーズはハンモックのポーズといって、肩甲骨の軸と腕の軸が一直線になるので、腕の重みが肩の筋肉にかからず、肩甲骨に逃げてくれます。これをゼロポジションといい、肩にやさしい姿勢です。Cの机によたれかかるは、腕の重みが机に支えられるので肩にかかる負担は減るので肩には優しい姿勢です。文責:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
肩に負担をかける姿勢はどれでしょうか?
- 腰痛説明
正解はCです。 Aのあごを引いてねると本来前向きのカーブである首の骨のカーブが後ろ向きのカーブとなり、背骨の全体のバランスがくずれ、腰にかかる負担が増えます。 Bの横にかたむいてねると傾いた側の骨盤に負担がかかり腰痛がでてきます。 Cの窓に頭をつけるとAで説明した本来前向きのカーブである首の骨のカーブが保たれるので、腰にかかる負担は少ないです。文責:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
腰痛を悪化させない寝かたはどれでしょうか?
- 筋肉トレーニング説明
102人の健康な人に「今まで腰痛になったことがありますか?」という質問をして「ある」と答えた23人を腰痛ありグループ、「ない」と答えた79人を腰痛なしグループに分けました。床から立ち上がりの点数は腰痛ありグループでは平均6.8点であり、腰痛なしグループの平均8.2点に比べて統計学的に明白に低かったです。床から立ち上がり時には骨盤が前に回転しなければできません。床から立ちあり点数は前屈した時の指先から床までの距離ときれいな正比例をしめしました。
朝、歯を磨くために前屈する時にぎっくり腰が起こり易いですが、これも骨盤が前に回転せずに、腰にかかる負担が大きくなるからです。つまり、床から立ち上がりの点数が低い人は骨盤の回転ができにくいので腰痛を起こしやすいと考えました。文責: 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝