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- 若い人の整形外科説明食事療法
- 包丁をグーに握って、物を切ると手首を上に挙げる筋肉である橈側手根伸筋という筋肉に負担がかかり、この筋肉のついている肘の外側が痛くなってきます。そこで、指を包丁に添えて手首を固定するのですが、それには人差し指が一番適してします。皆さん、グーの状態から指を伸ばしてみて下さい。人差し指はピーンと伸びますが、中指は伸びにくい、薬指になると完全に伸びない。小指は伸びるが、力が弱いでしょう。人差し指には、示指伸筋という人差し指だけを伸ばす筋肉が着いているので人差し指をピーンと伸ばして包丁を使うと肘への負担が減ります。 「親指も安定しているぞ」と言われる方がいるかもしれません。しかし、親指を伸ばし過ぎると腱鞘炎になりやすいです。親指を立てた時にできるくぼみは、タバコの葉を入れて、嗅いでいたため嗅ぎタバコ入れという名前がついてします。この嗅ぎタバコ入れの付け根では親指を外側に開く筋と上に上げる筋が交叉しています。親指を使う仕事をし過ぎるとこの交叉の部分で腱鞘炎が起こり痛くなってきます。これをドウケルバン氏病とも呼びます。そんな症状には親指を内側に入れて曲げ、反対の手で引っ張るストレッチをしましょう。それでも痛みが続けば整形外科に行って、炎症を和らげる注射を打ちましょう。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
板前さんが人差し指を伸ばして包丁を使う理由と親指のストレッチ
- 筋肉トレーニング若い人の整形外科説明
- 「うれしいひなまつり」という童謡に「少し甘酒めされた赤いお顔の右大臣」という歌詞があるので、甘酒にはアルコールが含まれているイメージがあります。確かに酒粕は酒を造ったときの副産物で、アルコールが含まれているため、飲めない人がいます。酒粕から造る甘酒にはアルコールが1%ほど含まれています。しかし、麹(こうじ)甘酒は“酒”という文字がつきますが、アルコール成分は含まれていません。 だから、「私はアルコールがだめなんですね」とおっしゃる方も安心して下さい。麹(こうじ)甘酒は低カロリーで栄養価が高く、ビタミンBl,ピタミンB2ピタミンB6,葉酸, 食物繊維,オリゴ糖や,システイン.アルギニン,グルタミンなどのアミノ酸. ブドウ糖が含まれています(倉橋敦ほか:日本醸造協会誌, 112: 668ー674, 2017)。だから、筋トレ中には持って来いです。 米麭に含まれるビタミンB2およびアルギニンは脂質代謝を促進する効果が確認されています。樫村先生達はラットに米麹甘酒を投与した後、持久的運動を実施させれば、骨格筋におけるヒドロキシアルCoA脱水素酵素が活性し、脂質代謝が充進されることを報告しています。つまり、麹甘酒は運動と組み合わせることで脂肪を効率的に燃焼させることがわかりました。是非、お試し下さい。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
肥満と運動不足解消には麹甘酒を飲みながら筋トレしよう
- 若い人の整形外科説明
- 今年も寒くなってきましたね。温泉の源泉に行くと熱いお湯、足だけ浸けててゆっくり入る風呂に入る経験が、熱い風呂=温泉気分になるのかもしれません。しかし、日本では入浴中の突然死が年間約14000人でています。これは他の国に比べて高い割合です。 しかし、熱いお湯はお肌に良くありません。岡田先生らは37℃・40℃・43℃の温浴10分間・終了後20分間の角層水分量・水分蒸散量の変化を検討しました(岡田 ルリ子ほか.愛媛県立医療技術大学紀要.3:45-49,2006)。その結果、37℃および40℃温浴の温熱刺激における角層水分量は、水分蒸散量の増加にもかかわらず高い水準を保持する傾向がみられました。一方、43℃温浴においては、水分蒸散量の増加とともに角層水分量は減少し、皮膚乾燥傾向を示すことが分かりました。だから、女性はお肌のためにぬるめのお風呂にはいりましょう。国内のある大学では10人の健康な女性の片方の腕をお湯に漬けた時の反対の手の角質層の水分量の変化を調べました(岡田ルリ子ほか:体力科学62: 315-321,2013)。その結果、手を漬けて10分後から反対側の手の潤いが統計学的に明白に潤いました。そして手を漬けるのを止めて60分後まで統計学的に明白な潤いは続きました。だから、寝たきりになっておられる方の皮膚のケアのためには、まめに露出部をお湯に浸してやることだと考えます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
冬の乾燥肌には、熱い風呂への全身浴を避け、露出部をぬるま湯に浸そう
- 筋肉トレーニング老化説明
- 老化の度合いを判断する基準の一つに、両目をつむって片足で立ち、そのままの姿勢を何秒キープできるかを測定する方法があります。10秒を最大とし、10秒キープできたらその時点で測定終了です。 日野原先生達の調査によるとによると、男性の20代、30代、40代、女性の20代、30代は、ほとんど全員が10秒間姿勢を保つことができています(日野原重明ほか:日本老年医学会雑誌.3:289-294,1966)。 男性の50代、女性の40代、50代になると、10秒間キープできる人は半分以下に減ります。男性の50代と60代、女性の60代は、1秒から10秒の間で、非常にばらつきがあります。そして男性の70代以上、女性の80代は、ほとんどの人が1~2秒しか片足の姿勢を保てなくなっています。 やはり高齢になるほどバランス感覚は衰えていくのです。 足の筋力アップトレーニングを続けて、ひざ痛を改善しながら、このようなやり方でバランス感覚を取り戻していくことも、老化防止に役立つのではないでしょうか。もちろん、現在の身体の状態を測る意味でも、有意義な運動の一つといえます。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
目つむり片足立ちは、老化の検査とバランス感覚の訓練を兼ねている
- スポーツ若い人の整形外科説明
- 今回も関西医療大学教授の増田研一先生に教えてもらいました。世界アンチドーピング機構は、2022年1月1日から全ての注射方法によるステロイド注入をドーピングと見なすことを決定しました。整形外科医にとって関節内のステロイド注射はよっぽどのことがないと打ちませんが、皮膚のすぐ下にある滑液包に対する注射ならば、比較的安全です。だから「明日、試合に出たいんです」と言われるとステロイドを好意で打つ整形外科医もいると思います。 「ドーピングなんてトップアスリートだけの問題でしょう?」と思われる方も多いと思いますが、東京五輪で多くの未成年選手が新しい種目に出場していた場面を思い出して下さい。周囲の大人がきちんと対応・指導すべきという点で決して縁遠い話とも言えません。 もちろん治療使用特例を提出して正当な治療行為である事を証明すれば良いのですが、これがまた非常に面倒な手続きが必要ですので、ステロイドを使わないに超したことはありません。↓ちなみにテレビで宣伝しているボラギノールA座剤 プドニゾロンというステロイドの成分が入っています https://www.borraginol.com/products/zazai_a/ だから、ドーピング検査前に痔になった時には座薬の成分はよく調べて、よく考えてから使用してください 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝