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- スポーツ説明
- 体重が増えると、それを支えるためにふくらはぎの筋肉が大きくなってきます。 しかし、靱帯(骨と骨とを結ぶ)は体重の増加にともなって強化されません。国内のある病院では、世界中から捻挫と肥満との関係について書いた論文を5つ検索して、総合的に判断しました(田中昌史ほか北海道千歳リハビリテーション科学.1:115-118,2015)。その結果、身長に対する体重の割合(BMI)が高くなると、足首を内側にねじって起こる捻挫を起こす確率が増えていました。最近、肥ったと思った人は捻挫に気を付けましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
肥ると足首を内側にひねって捻挫しやすい
- 立ち上がる時に「よっこいしょ」と言うと「年寄りくさい」とバカにされますよね。でも、ある研究では、健康な男性10 名(平均年齢21.9)高さの台からの立ち上がり動作を,かけ声有りとかけ声なしの時に行ってもらいました(櫻井佳宏ほか:.理学療法学.39:Suppl.2 697頁,2012)。筋肉の活動は右側の腰の背筋(腰部脊柱起立筋),太ももの外側の筋肉(外側広筋)とスネの前の筋肉(前脛骨筋)の3つ筋肉で測りました。その結果、掛け声ありでは掛け声なしに比べて、3つの筋肉がほぼ同時に活動えを始めました。つまり、立ち上がる時に腰の筋肉だけに負担がかからず、太ももやふくらはぎの筋肉も協調的に働いてくれるのでギックリ腰が防げると考えられました。論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
改編:若い時から「よっこいしょ」と言うと腰痛になりにくいと考えます
- アメリカのシェーカー先生は、靴を履いた時に比べて裸足の時の方が膝にかかる負担は減ると報告されました(Shakoor N, Block JA. Walking barefoot decreases loadin on the lower extremity joints in knee osteoarthritis. Arthritis Rheum 54: 2923-2927, 2006)その理由は、靴にはヒールがついているからです。では、靴のヒールによる悪影響と足底板を入れることによる好影響はどちらが強いのでしょうか?私(戸田佳孝)は、75人の変形性ひざ関節症の患者さんの中で室内履きとして、38人には平坦なスリッパを、37人には高さ2cmのヒールを付けた平坦なスリッパを渡して、「家の中では、このスリッパに足底板を入れて履いて下さい。」と指導しました。そして、4週間治療前後での日常動作の困難度の改善点数を比較しました。 その結果、ヒールなしスリッパに足底板を入れた人達では平均で1.5点困難度が改善しましたが、2cmのヒールの付いたスリッパに足底板を入れた人達では、平均1.2点悪化しました。この差は統計学的にも明白でした。このように、室内ではできるだけ裸足に靴下だけを付けた状態で歩いた方が膝には良いです。この内容は、日本膝学会誌に2008年に掲載しました(戸田 佳孝ほか:高さ2cmの靴ヒールでさえ変形性膝関節症に対する中敷型足底挿板の臨床効果を減退させる.膝.32:13-16,2008)論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
改編:家では裸足やヒールのないスリッパを履こう
- その他
- パソコンなどのデスクワークを長時間していると、手首を上に挙げる筋肉がついている肘の外側が痛くなってきます。これは、テニスのプレイヤーがバックハンドをしすぎると、肘の外側が痛くなるので、テニス肘と呼ばれてきましたが、最近は、デスクワーク肘と呼んだ方がいいかもしれません。その理由は、キーボードを打つために手首を挙げたり、マウスをクリックするために指を挙げると肘についている筋肉に負担がかかり、炎症を起こすからです。戸田クリニックの調査でも肘の外側が痛い患者さん101人に「原因はなんだと思いますか?」と聞いたところ、42人(41.6%)が「デスクワークが原因」と答えて最も多かったです(戸田佳孝ほか: 上腕骨外上顆炎に対する中指伸展制御付き手関節バンド装着による不快症状と治療効果. 整形外科 58: 1421-1427, 2007)。つまり、デスクワーク肘は、痛いのは肘でも原因は手首の使い過ぎなのです。そんなデスワークから来る肘の痛みに対しては、手首を痛みの原因とは逆の方向、つまり手首を下に下げるストレッチをしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝
改編:ディクスワークで起こるひじの痛みには手首をストレッチしましょう
- その他
- 韓国の江原大学の研究では、健康な右利きの女性34人のハンドバッグを持った時に歩き方を分析しました(Journal of Physical Therapy Science 25:969-971,2013.)。そのうち18人は体の右側にバッグを持ち、16名は左側にバッグを持つ習慣がありました。体重の約10%の重さのバッグを、左手で持つ、左肩にかける、右手に持つ、右肩にかける、という4種類の持ち方をして歩いてもらいました。その結果、ハンドバッグを利き手で持つ習慣のある人は、利き手でない方の手や肩からかける人よりも1歩の長さが長く歩行速度が速かったです。だから、急いでいる時は営業かばんを利き手で持つようにしましょう。論文の解説:江坂の戸田リウマチ科クリニック院長 大和大学整形外科非常勤講師 戸田佳孝