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- スポーツ説明
平昌冬季五輪で日本人が多くメダルを取っています。冬のスポーツで選手生命にかかわる怪我の一つが膝の前十字靱帯損傷があります。男子フィギュアスケートのエース・高橋大輔選手が、2008年10月末の練習中に右足膝の前十字靭帯損傷をしました。実は、前十字靱帯損傷は男性よりも女性に多いです。その理由は女性の方が胴体と体のバランス感覚が弱いためだという説があります。佐々木先生らは大学生女子バスケットボール選手にサイドベンチなどのコアマッスルトレーニングを8週間行わせたところ、片脚スクワットでの体の揺れが著明に減少しました。その理由として佐々木先生らはコアマッスルトレーニングによって胴体と足のバランス感覚が獲得されたためだと書いています(佐々木静ほか:.日本臨床スポーツ医学会誌.21: 756-762,2013.)。だから、特に女性は、冬のスポーツをする前にはサイドベンチなどでバランス感覚を鍛えましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
冬期スポーツの前にはコアエクササイズをして前十字靱帯損傷を防ごう
- 五十肩説明
歌手の智子さんの歌「あ~五十肩」には「四十と五十の違いって何ですか?年齢ですか?症状ですか?見た目ですか?」という歌詞があります。 https://www.youtube.com/watch?v=BfeQcBstPrc 五十肩は「五十歳前後に起きる痛みを伴う肩の関節の動きにくい状態」です。しかし、医学的な定義は確立されておらず、その原因も様々です。年齢分布は50歳代が40%、60歳代が30%、40歳代が20%です(橋本淳:五十肩に対する保存的治療.プライマリーケアのための整形外科疼痛マニュアル.金原出版.東京.p235-240,2007)。つまり、四十肩の1.5倍の割合で六十肩があります。でも、六十肩という言葉を使わないのは、少し年齢より若く言った方が良いからだと思います。僕は60歳を過ぎた女性に六十肩と言わず「五十肩です」と告げ、50歳を過ぎたご婦人には四十肩と告げています。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
実は、四十肩よりも六十肩の方が多い
- 筋肉トレーニング説明
「片脚立ちをして下さい」と言われると、多くの人が浮かせた足を前または後ろに開きます。でも、もっともやっかいな骨折は横または後ろ斜め方向に転けて骨盤の外側を打撲することによって起こる股関節の骨折です(岡正典,ほか:日本臨床バイオメカニクス学会誌.24: 341-348,2003)。また、佐々木先生らの研究では片脚立ちの時に浮かせている足を後ろ内側または後ろ外側に挙げてられる能力が目をつむった時の体の揺れの少なさと正比例しました(佐々木理恵子:理学療法科学24:827-831,2009)。だから、片脚立ちの訓練をする時は、浮いている足を後ろ内側または後ろ外側に挙げた時のバランスを鍛えた方が転倒防止になります。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
斜め後ろに倒れないバランス能力が大事
- 筋肉トレーニング説明
アメリカバスケット協会は「腹筋運動の時に上半身を90°以上挙げる運動は腰の椎間板に悪い影響があるので推奨できない」と発表しましたhttps://www.asahi.com/articles/ASKDD0C4SKDCUTQP03H.html でも、90° に起き上がっても背筋が伸びていれば、骨盤が前に傾かないので、腰にかかる負担は少ないです。伊藤先生たちの研究では、「腰痛体操施行時には十分な頸椎屈曲位でかつ骨盤後傾位で行うことにより,より効率の良い体幹筋力強化訓練が可能となる」と書いています(伊藤 俊一ほか: 理学診療 .4: 13-17、1993.06)。また、山際先生は「,腰痛のあるものに対しては,膝および股関節を90°屈曲させた状態で上体起こし運動は,有効かつ安全な方法であった」と書いています(山際 哲夫ほか: 日本整形外科スポーツ医学会雑誌 9: 103-108,1990.。腰痛のある方が腹筋をする時にはこのような工夫をして下さい。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
腹筋運動で椎間板ヘルニアにならないための工夫
- 説明
立ちくらみは高齢者では転倒骨折の原因ともなり、危ない症状です。秋葉先生らは男性8人に5分間普通に座ってもらった後、1分間の足首を背屈(足首を立てる動作)を行い、再び5分間普通に座って座ってもらい、血圧を測りました(秋葉崇:理学療法科学.32: 695-699,2017.)。その結果、足関節底背屈運動は起立直後の血圧低下を防いでいました。なぜなら、足首を立てるだけで足の血液が心臓に返り、脳に行く血液が増えるからだと考えます。だから、立ちくらみする人は立ち上がりや起き上がる前に足首を1分間だけ立てるようにしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝