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- 筋肉トレーニング説明
- 1998年にマックギル先生が胴体の筋トレ(コア・エクササイズ)を発表しました(McGill SM: Phys Ther. 78:754-65,1998)。それ以来、腰痛患者さんにもバードドックと呼ばれる四つん這いになって左右反対の手と足を挙げる運動が流行しましたが、この運動は腰痛患者さんにはキツすぎます。そこで、村尾先生らは上半身をベッドに乗せて足を挙げるN-exを考案し、その運動では上半身の筋肉は働かず、腰痛を治すのに必要な筋肉(多裂筋)だけが鍛えられると発表しました(村尾昌信ほか.理学療法学.42: 114-118,2015)。なお、前回の写真では頭が上に向いていましたが、頭が上を向いていては背筋の安静はたもてないので、改編しました。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
改正:腰痛持ちにコア・エクササイズはキツい。上半身をベッドに乗せて足を挙げよう。
- 関節リウマチ
- 関節リウマチになると通常では関節の袋の内側に滑膜という薄い1層のピンクの膜が肉の塊になってきます。そして、その肉の塊が骨の中に侵入して骨が崩れていき、骨が変形してきます。滑膜はとても繁殖する力の旺盛な膜なので再生医療(年齢の変化で失われた組織をとりもどす)に利用できます。年齢の変化で割れてくる半月板を再び元に戻すのは困難です。しかし、最近、関矢先生らは、ブタの半月板を人工的に切り取った後に実験室に数を増やした滑膜幹細胞を注射すると半月板のなくなった部分に滑膜幹細胞が接着して、半月板が再び蘇ることを発表しました (関矢 一郎:BIO Clinica.31 1150-1154,2016.10)。長年、リウマチの滑膜に難儀してきた僕としては、「増殖する滑膜も役に立つんだ」と驚いています。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
リウマチで骨を破壊する滑膜は再生医療に役立つ
- 筋肉トレーニング
- 50歳以降、手や足の筋肉量は毎年1~2%ずつ減少していきます。特に、瞬発力に出すタイプ2線維という筋肉の成分の衰えが著しいです。このタイプ2線維はスポーツジムのマシーンで行うような負荷をかけた運動(レジスタンス運動)で太くなります。またタイプ2線維は男性より女性の方が少ないです。作田先生は「高齢女性は筋肉量の減少を予防するため高齢男性に比べてより高い強度のレジスタンス運動を要する。」と書いています(作田英成:.防衛衛生.61:35-43,2014)。だから、女性は年齢とともに積極的に筋トレをしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
おじいさんは山に昼寝に、おばあさんはジムに筋トレへ行きました
- 説明
- よく「ティラピス」と言っている人がいますが、それはケーキの「ティラミス」と混同されているのかもしれません。「ピラティス」です。ピラティスのルーツは、ドイツで第一次大戦で負傷した兵士のために開発したリハビリ運動です。特徴は、音楽に合わせてリズミカルに動く。お腹の深層にある筋肉や、肩甲骨周りの筋肉などのインナーマッスルを鍛えることです。釜山大学の研究では、長時間の座り仕事をしている女性14人にピラティスを3週間行ってもらい、14人には一般的な体操を行ってもらいました(Lee Sun-Myun et al: Journal of Physical Therapy Science.28:2009-2013,2016)。その結果、ピラティスを行った人達では、あごが前に突き出たような姿勢が改善し、座り仕事に伴う肩こりが楽になったそうです。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
ピラティスは、あご出し座り姿勢を矯正する
- 説明
- 日本では入浴中の突然死が年間約14000人でています。これは他の国に比べて高い割合です。温泉の源泉に行くと熱いお湯、足だけ浸けててゆっくり入る風呂に入る経験が、熱い風呂=温泉気分になるのかもしれません。しかし、熱いお湯はお肌に良くありません。岡田先生らは37℃・40℃・43℃の温浴10分間・終了後20分間の角層水分量・水分蒸散量の変化を検討しました(岡田 ルリ子ほか.愛媛県立医療技術大学紀要.3:45-49,2006)。その結果、37℃および40℃温浴の温熱刺激における角層水分量は、水分蒸散量の増加にもかかわらず高い水準を保持する傾向がみられました。一方、43℃温浴においては、水分蒸散量の増加とともに角層水分量は減少し、皮膚乾燥傾向を示すことが分かりました。だから、女性はお肌のためにぬるめのお風呂にはいりましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝