戸田整形外科リウマチ科クリニック

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ニュースNews

寒い日は転倒骨折予防に足を温めよう

その時の話題説明
昔からの健康法として「頭寒足熱」(ずかんそくねつ)がありますが、整形外科的には足を冷やすと足底感覚が低下し、足底から脳への情報が減り、転倒骨折しやすくなります。渡邉先生達の研究では足底を冷却する前後に重心動揺性を計測しました。その結果、足部を冷却した後は前に比べて、体の重心の揺れが大きくなりました(渡邊修司ほか:冷却刺激による足底感覚低下が立位バランスに及ぼす影響.臨床福祉ジャーナル8:82-86,2011.) しかし、足の冷え症を治すために靴下の多重着用する人がいますが、坐骨神経 刺激症状(腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア)がある患者さんでは転倒可能性が増えます。富田先生達の研究では神経疾患のある人と健康な人の裸足と靴下3枚着用の2条件で目を閉じた時の重心動揺性を計測しました。その結果、神経疾患のある人では裸足時に比べて靴下3枚着用時には重心の揺れが激しくなりましたが、健康な人では2つの条件で重心の揺れに差はありませんでした(冨田健一ほか:靴下の多重着用が立位バランスに及ぼす影響.京都在宅リハビリテーション研究会誌.3:17-20,2010.)。つまり、腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの患者さんは靴下の重ね履きをすると転倒骨折の危険性が高くなります。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

膝のサポーターは少しきつく感じるぐらいが良い

変形性膝関節症説明
変形性膝関節症に対する膝のサポーターは、キツめに巻いた方が良いのか緩めに巻いた方が良いのかは研究されていませんでした。そこで僕たちは大腿とふくらはぎの太さを計り、85%の長さの位置と75%の位置でサポーターを止めた時の治療効果を比較しました。 17人の患者さんには大腿およびふくらはぎの周囲径の75%の長さにマークを付け、「このマーク位置まで面テープを引っ張って固定して下さい。」と指導しました。同様に17人の患者さんには85%の長さのマークの位置で面テープを止めてもらいました。17人の自由グループでは患者が快適な位置で止めて下さいと指導しました。 その結果、75%グループが治療前後で改善する指数が一番高かったです。以上の結果から巻くサポーターは少しきつめに感じる緊張度で巻く方が効果的であると結論しました 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

変形性膝関節症に手術をするかどうか目の前の医師の意見に過ぎない

変形性膝関節症説明
変形性膝関節症で主治医に「人工関節の手術をしなければ、将来寝たきりになる」と言われてもすぐに信じないようにしましょう。必ずセカンドオピニオンを聞きに行きましょうという話をさせていただきます 米国では財政赤字へ連邦均衡予算法が可決され、人工膝関節の医師へのドクターフィーの6割に引き下げられました。そうすると手術件数が約2倍に増えた。Bernstein先生らは医師が故意に症例数を増やして個々の減額分の穴埋めした可能性を指摘しています。つまり、人工関節にするかしないかはそれぞれの医師によって意見が違うのです 変形性膝関節症の人口は3080万人という報告があります。65歳で人工関節の手術を入れれば20年生きるとします。過去20年間に人工膝関節を受けた80万人が存命していることになります。つまり80÷3080=2.6%しか人工関節をいれていないのです。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

変形性膝関節症を予防するための膝を伸ばす筋力の目標は女性で10kg

腰痛説明
歩く時に膝に一番負担がかかるのは踵が地面に着く瞬間です。この時に太腿の筋肉である大腿四頭筋が収縮して上に持ち上げてくれるので、膝にかかる負担が減ります。大腿四頭筋の筋力を筋トレで鍛えていると膝にかかる負担はさらに減りますが、筋力が衰えてくると膝にかかる負担が増え、痛みが出やすくなります。だから、変形性膝関節症では大腿四頭筋の筋トレが重要になってきます しかし、僕たちの研究では変形性膝関節症に指導した筋トレを1年後にも続けていてくれた患者さんはわずか31%でした。筋トレを継続するために家庭用体重計の上にトイレットペーパーを置き筋力を測り、「頑張ったからこれだけ筋力が増えた!」ことを実感して下さい。 なお、膝が痛くならないための体重計の上にトイレットペーパーを置いて計測した大腿四頭筋筋力の目標は男性では13.5Kg以上、女性では10kg以上です 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

腰痛予防には赤みのロースを鍛えよう

説明
年齢の変化で腰が曲がってくるのは骨粗鬆症の影響もありますが、背骨を支えている赤いコア筋(持続的に収縮)が痩せてくる影響もあります。ちなみに焼肉のロースは牛の背筋です。赤い筋肉は瞬発な筋トレではなく、姿勢を保つ筋トレで強くなります。 筋肉には白い筋肉と赤い筋肉があり、白い筋肉は素早い動きに関係するため速筋と呼ばれます。刺し身のヒラメは白く、ヒラメは危険を感じると速く逃げますよね。一方赤い筋肉は動きを持続することに関係します。マグロは止まると死ぬと言われています。赤みの魚ですよね。腰痛予防には赤い筋肉による持続的な動きを鍛えましょう。だから、素早く頭を持ち上げて背筋を伸ばす筋肉よりバランスボールの上で肘を立てて姿勢を維持するコアエクササイズがお薦めです。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝