貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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若い頃から脚を組めない人は四股で股関節を鍛えよう

老化若い人の整形外科説明
年をとって股関節が痛くなる人は思春期に前兆があります。変形性股関節症の患者さんの数は全国で510万人とも言われます。患者さんの多くは女性です。その原因は股関節形成不全という股関節のかぶりが浅い発育障害股関節症全体の80%を占めます。足が組めないのは股関節の動きが悪くなっている前兆です。 では、股関節が悪くなるのはどのように予防すれば良いのでしょうか?それはお相撲さんが練習でやる四股です。四股を踏むと脚を持ち上げるので大腰筋が鍛えられ、股関節にかかる負担が減るからです。解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

65歳以上の人は動きの速い筋トレがお薦め

変形性膝関節症筋肉トレーニング説明
65歳以上の人は動きの速い筋トレがお薦め僕は高齢者にはどのような運動が良いかを調べました。161人の変形性ひざ関節症患者の中で50人にはゆっくりとして筋トレである足先内向きコーナースクワットをして頂きました。同じく50人の患者さんには体重計の上に芯にスプレー缶を入れたトイレットペーパーを置き、膝を伸ばしたままひざの上で思いっきり押さえつける。その時の目盛りの80%の力で筋トレを続けるセッティングという運動をしてもらいました。残りの51人には骨盤の前に出した掌に太腿が着くまで脚をできるだけ早く揚げる動作を朝夕50回行う水平足踏みを行ってもらいました。治療期間は8週間としました。 予定治療を達成した77人の65歳以上の高齢患者の日常生活困難度の改善率は24人のセッティングをした人達では平均32%改善し、31人の水平足踏みをした人達では62%改善し、22人のスクワットをした人達では34%改善しました。水平足踏みの成績がセッティングやスクワットの成績に比べて統計学的に明白に優れていました。痛みの程度の改善率はセッティングが平均30%、水平足踏みが52%、スクワットが-42%であり、速い動きである水平足踏みの成績がセッティングの成績に比べて明白に優れていました。なお、65歳未満の患者さんではこのような差はなかったです。 速い動きで働く筋肉と遅い動きで働く筋肉の比率は大腿四頭筋で50 : 50、ヒラメ筋で10 : 90、前脛骨筋で30 : 70であり、大腿四頭筋には年齢による変化を受けやすい速筋線維の割合が他の下肢筋に比べて多いのです。だから、早い動きの運動を積極的にしましょう。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

変形性膝関節症にはのり缶やお茶缶を使って膝の裏を伸ばそう

変形性膝関節症筋肉トレーニング説明
ストレッチの話をします。ストレッチの基本は、「深く曲げる」と「おもいっきり伸ばす」の二点です。まずは深く曲げるストレッチ。可能な限りひざを曲げて、両手でひざを抱え込む姿勢を30秒間維持します。これを4セット行います。次に、ひざを伸ばすストレッチです。これは、自分の力だけではなかなか難しいので、「テコ」の力を使います。テコの支点にするのは、直径約7cmの家庭用「海苔缶」もしくは「お茶缶(茶葉が入った缶)」です。 まず、脚を投げ出して座り、海苔缶もしくはお茶缶の中心を、ひざの裏の内側に置きます。そして、脚全体を内側に軽くねじり、ふくらはぎの内側で缶を2分間、上下数センチほど転がします。このストレッチを朝起床時(寝床で)と夜お風呂上がりの1日2回行います。 この海苔缶ストレッチは、どのような人に効果があるのでしょうか? 僕の研究では変形性ひざ関節症患者27人に協力してもらって、ひざを抱え込むストレッチと海苔缶ストレッチを行ってもらいました。8週間後に、痛みが改善した度合いは治療前にひざの伸びにくい患者さんほど、治療成績がいいという比例関係がありました。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝  

高齢になってからバレエの訓練をすると転倒予防に役立つ

筋肉トレーニング老化説明
バレエの訓練は足の指の握力である把持力を強化します。バレエの基本訓練である親指だけ曲げて他の指は伸ばして立つ”ポアント”ができるダンサーはできないダンサーに比べて把持力が統計学的に明らかに強かったそうです。だから高齢者にも転倒予防のためバレエレッスンはお薦めです。 足の把持力を鍛える前と鍛えた後で一番遠くに足を伸ばした時の長さ(最大1歩)と一番遠くに手を伸ばした時の長さ(機能的リーチ長)を比較しました。その結果、把持力を鍛えると最大1歩も機能的リーチ長も明白に伸びました。その理由は姿勢を保つ能力が良くなったからだと考えられます。だからペットボトルのキャップを足で掴んで把持力を鍛えましょう。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

後ろ向きに転けない訓練が大事

筋肉トレーニング説明骨粗鬆症
「転倒」と聞けば、石ころやちょっとした段差につまずいて、前にこける光景を連想するかもしれません。しかし、前向きの転倒であれば、手やひざが地面について衝撃を和らげてくれるので、脚に大きな怪我は起きにくいのです。 それよりも、年をとってから危険なのが、斜め後ろ向きに尻もちをつく転倒です。これによって、大腿骨の股関節側の付け根部分を骨折してしまい、手術をきっかけに脚の筋力が衰え、寝たきりになる人も多いのです。これを「大腿骨頸部骨折」と言います。 斜め後ろ方向へのバランスを知る方法として、利き足の爪先をどれだけ遠くまで伸ばせるかを調べるテストがあります。3方向に引いた線が星形に見えることから、このテストを「星形バランス試験」と言います。 星形バランス試験は家庭でも行えます。時計の12時、4時、8時の方向にテープを貼り、時計の針の中心に利き足のかかとを置きます。そして、もう一つの足を3方向にできるだけ伸ばして、時計の針の中心からの到達距離を測ります。 その到達距離を身長で割って、パーセンテージに直して下さい。僕が20歳以上80歳未満で健康な120人を対象に行った調査では、平均値は12時(前)方向が身長の45%、4時方向(後内側)が身長の30%、8時方向(後外側)が身長の35%でした。この値を目安に訓練して下さい。 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝