貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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僕は整形外科医として体育座りが腰痛の原因であるとは信じられない

腰痛若い人の整形外科説明
体育の授業や集会でおなじみの「体育座り」。実は、世界でも日本でしか見られない珍しい座り方で、内臓を圧迫し、座骨の痛みが出るなど体には悪影響が多いという指摘があるそうです。増田先生の2014年調査で、主に関西地方の小学5年~高校3年の男女939人の12・7%に腰痛があり、座った時に痛みを訴えるケースが66・4%で、そのうち体育座り時に痛みを感じたのが52・3%でした。しかし、僕は37年以上整形外科医をしていますが、体育座りを長時間して腰が痛くなったという子供さんを一人も診察したことがありません。 そもそも膝を抱えて背中を丸める体育座り姿勢は子宮の中にいる赤ちゃんと同じポーズであり、人間にとって安定安心できる姿勢です。大島先生の研究では腰痛を誘発する動作としてTVを観ながらうつ伏せ寝の姿勢が多く、腰痛軽減する動作としては胎児姿勢などでした。 沢野先生が指摘しているように体育座りの欠点は、肥満児にとっては内臓を圧迫する可能性がある。顔を前に向け、手遊びもできないので自然教師の話を聞くために適した姿勢であり、戦前の教練的であるが、そのことに疑問を感じている教師がほとんどいないことだそうです。それらの欠点には僕も賛成します。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝  

肺癌のロボット支援手術のミスで60歳代男性が死亡

未分類説明
大阪府吹田市の市立病院で、手術支援ロボットを使った肺がんの手術中にミスがあり、その後、患者が死亡していたことが分かりました。 吹田市民病院の発表によりますと、2020年10月、肺がんを患っていた60代男性の手術中に医師が手術支援ロボット「ダヴィンチ」を操作した際、誤って大動脈を傷付けてしまったということです。 患者は、大量の出血により脳に大きなダメージを受けて、手術から17日後に死亡しました。モニターに手術器具が映っていない状態にもかかわらず、医師がロボットを操作したことが事故の原因でした。 皆さんの中にはロボット手術と聞くと人間の形をしたロボットが手術をすると思われているかもしれません↓。実際には人間が操作しています。人間の手先は呼吸などの影響で僅かに震えます。ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける4本のロボットアームと内視鏡が装着され,術者は箱型の操作部に映し出される鮮明な内視鏡画像を見ながら人の手先より正確に操作ができます.. 肺癌に対する体にダメージを与えない低侵襲手術として、お腹の手術に加えて2018年よりロボット手術の保険適応が認められました。しかし、中村先生達はロボット手術の欠点は値段が高いことと手術時間が長いくなることを指摘しています(中村廣繁ほか:癌と化学療法45:1701-1705,2018.)。実際、池田先生は50人の肺癌患者さんにロボット手術をしたところ、人間が手術するよりも手術時間が長くなりました(池田直樹ほか堺市立総合医療センター医学雑誌 .19: 80-85,2019.)。今後の改善が期待されます。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

 子供の肘はリラックスしている時間に抜けやすい

若い人の整形外科説明
まだ言葉が上手くしゃべれない小さな子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなることがあります。これを肘内障といいます。原因は肘の靱帯から肘の外側の骨(橈骨頭)がはずれかかることによって起こります。 多くは、5歳以下の子供にみられます。 国内のあるクリニックの調査では、肘内障になった170人中で100人(59%)が土曜日午後6時以降の救急外来の患者さんでした。また他の病院の調査では怪我をした場所はマイホームが97人中70人(73%)でもっとも多かったです(吉岡裕樹ほか::整形外科.64:1053-1057,2013)。つまり、肘内障は土曜日に家族で過ごしているリラックスしている時間に起こり易いです。でも、安心して下さい。肘内障は腕を少し回すだけで治ります。あわてずに整形外科医のいる救急病院に行けば、大丈夫です。 横井先生の調査では肘内障は2歳が43例で最も多く、右側より左側に多い。初回受傷後10日以内に13%が再発するそうです。一度肘内障になったら、また起り易いのでどうか手を引っ張らないよう注意してください。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

腰痛が再発する人は自転車漕ぎをして膝を曲げる筋肉を鍛えておこう

スポーツ変形性膝関節症腰痛説明
皆さん、ぎっくり腰になったことがありますか?仕事中に一度でも腰痛になったことがある人は83.4%。腰痛で仕事を休んだことがある人は25%だそうです。ぎっくり腰になった時には背筋を伸ばすのがつらいでので背骨を曲げて歩きます。↓そのバランスをとるために膝を曲げた状態でペンギンのように歩きますよね。その時にはハムストリングスをいうひざを曲げる筋肉に負担がかかります。 国内のある病院では24人の腰部脊柱管狭窄症の人と腰が痛くない18人に椅子の腰掛ける時のビデオを撮影して、動作を分析しました(木村悠人ほか:理学療法科学.31 541-546,2016)。その結果、腰部脊柱管狭窄症の人では腰をドッスンと落とすと痛みが強くなるので、骨盤を後ろに傾け、股関節をゆっくり曲げていく座り方をしていました。この着座をするためには膝を曲げる筋肉であるハムストリングスの筋力が必要で、その筋力が無ければ、腰の激痛を引き起こします。だから、腰痛持ちの人はいつ腰痛がでても良いように普段から膝を曲げる筋力を鍛えておきましょう。 ハムストリングスを鍛えるのに最も適した運動は、自転車漕ぎです。競輪選手も水泳選手も太ももが太いですが、膝を曲げながら力を入れる競輪選手はももの裏側の筋肉であるハムストリングスが発達し、膝を伸ばして力を入れることが多い水泳選手ではももの前面の筋肉である大腿四頭筋が発達します。田中先生達の研究では,エアロバイクでは逆回転に抵抗を加えるすることで,ひざを伸ばす太もも表面の大腿四頭筋が鍛えられ,順回転ではひざを曲げる太もも裏側のハムストリングスが鍛えられることがわかりました(田中直次郎他:日本私立医科大学理学療法学会誌.2002;20:20-22,.)。 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

3本線だけでは知的所有権が認められなくなった

スポーツ説明
今回も関西医療大学の増田教授に教えてもらいました。この2つのユニフォームに関して違いがお分かりでしょうか? デザインはもちろんなんですが、上の写真は古いタイプは色の違う布を縫い合わせており、下の写真は昇華プリントと言って背番号や広告も含めて全てプリントしたものを縫製しています。また下のユニフォームは日の丸以外にプーマキャットというスポンサーロゴが入っています。 左は1972年ミュンヘンオリンピックの際にアディダス社のトレフォイル(三つ葉)が入ったのが最初とされており、そこからはチームワッペンと別に入るのが通例とされてきました。頭が良い人がいて、「ユニフォームに広告を入れたら静止画・動画共に常に目に入るな」と、その後どんどん広告も入る様になりました。前・後、袖、パンツなど部位や大きさによって費用も変わるそうです。最近物凄い事になっているのはブラジルのフットサルリーグで、それこそ『ありとあらゆる』部位におびただしい数の広告が入っています。チームワッペンや番号が分かるんでしょうか? さて、チームロゴに限らずシューズのラインも登録がなされています。日本企業も知的財産権などうるさくなってきましたが、昔は国産のメーカーも平気で3本戦のラインを用いていたりしたんです。元々このラインは天然皮革の伸びを防いだりアーチをサポートする目的で考案されたらしいですが、3年前EUが「独自性がなく、商標権は認められない」との判断を下したらしいです。他の図形登録とかがなされているので勝手に使用するわけにはいかないみたいですが…。