戸田整形外科リウマチ科クリニック

診察予約・お問合せは 06-6387-4114
受付時間 | 9:30〜12:30(月-土) 15:30〜18:30(月-水,金)

ニュースNews

冬の乾燥肌には、熱い風呂への全身浴を避け、露出部をぬるま湯に浸そう

若い人の整形外科説明
今年も寒くなってきましたね。温泉の源泉に行くと熱いお湯、足だけ浸けててゆっくり入る風呂に入る経験が、熱い風呂=温泉気分になるのかもしれません。しかし、日本では入浴中の突然死が年間約14000人でています。これは他の国に比べて高い割合です。 しかし、熱いお湯はお肌に良くありません。岡田先生らは37℃・40℃・43℃の温浴10分間・終了後20分間の角層水分量・水分蒸散量の変化を検討しました(岡田 ルリ子ほか.愛媛県立医療技術大学紀要.3:45-49,2006)。その結果、37℃および40℃温浴の温熱刺激における角層水分量は、水分蒸散量の増加にもかかわらず高い水準を保持する傾向がみられました。一方、43℃温浴においては、水分蒸散量の増加とともに角層水分量は減少し、皮膚乾燥傾向を示すことが分かりました。だから、女性はお肌のためにぬるめのお風呂にはいりましょう。国内のある大学では10人の健康な女性の片方の腕をお湯に漬けた時の反対の手の角質層の水分量の変化を調べました(岡田ルリ子ほか:体力科学62: 315-321,2013)。その結果、手を漬けて10分後から反対側の手の潤いが統計学的に明白に潤いました。そして手を漬けるのを止めて60分後まで統計学的に明白な潤いは続きました。だから、寝たきりになっておられる方の皮膚のケアのためには、まめに露出部をお湯に浸してやることだと考えます。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

目つむり片足立ちは、老化の検査とバランス感覚の訓練を兼ねている

筋肉トレーニング老化説明
老化の度合いを判断する基準の一つに、両目をつむって片足で立ち、そのままの姿勢を何秒キープできるかを測定する方法があります。10秒を最大とし、10秒キープできたらその時点で測定終了です。 日野原先生達の調査によるとによると、男性の20代、30代、40代、女性の20代、30代は、ほとんど全員が10秒間姿勢を保つことができています(日野原重明ほか:日本老年医学会雑誌.3:289-294,1966)。 男性の50代、女性の40代、50代になると、10秒間キープできる人は半分以下に減ります。男性の50代と60代、女性の60代は、1秒から10秒の間で、非常にばらつきがあります。そして男性の70代以上、女性の80代は、ほとんどの人が1~2秒しか片足の姿勢を保てなくなっています。 やはり高齢になるほどバランス感覚は衰えていくのです。 足の筋力アップトレーニングを続けて、ひざ痛を改善しながら、このようなやり方でバランス感覚を取り戻していくことも、老化防止に役立つのではないでしょうか。もちろん、現在の身体の状態を測る意味でも、有意義な運動の一つといえます。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

来年から一流アスリートは整形外科で注射を打ってもらう時に要注意!

スポーツ若い人の整形外科説明
今回も関西医療大学教授の増田研一先生に教えてもらいました。世界アンチドーピング機構は、2022年1月1日から全ての注射方法によるステロイド注入をドーピングと見なすことを決定しました。整形外科医にとって関節内のステロイド注射はよっぽどのことがないと打ちませんが、皮膚のすぐ下にある滑液包に対する注射ならば、比較的安全です。だから「明日、試合に出たいんです」と言われるとステロイドを好意で打つ整形外科医もいると思います。 「ドーピングなんてトップアスリートだけの問題でしょう?」と思われる方も多いと思いますが、東京五輪で多くの未成年選手が新しい種目に出場していた場面を思い出して下さい。周囲の大人がきちんと対応・指導すべきという点で決して縁遠い話とも言えません。 もちろん治療使用特例を提出して正当な治療行為である事を証明すれば良いのですが、これがまた非常に面倒な手続きが必要ですので、ステロイドを使わないに超したことはありません。↓ちなみにテレビで宣伝しているボラギノールA座剤 プドニゾロンというステロイドの成分が入っています https://www.borraginol.com/products/zazai_a/ だから、ドーピング検査前に痔になった時には座薬の成分はよく調べて、よく考えてから使用してください 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

71年前に創刊された整形外科(南江堂)が電動自転車に関する論文を掲載。寛大な心に感謝。

変形性膝関節症著書説明
71年前に創刊された整形外科(南江堂)が電動自転車に関する論文を掲載。寛大な心に感謝。整形外科は「外科」の一種ですから研究は手術に関する論文が主です。いくらコロナ禍とはいえ、自宅で電動自転車を漕いで治すという話は相手にされないだろうと思っていました。しかし、整形外科(南江堂)12月号で「75歳以上の変形性膝関節症患者に対する電動アシスト付きエルゴメーターの効果」と題した僕の論文が1350頁から1353頁まで掲載して下さいました。審査員の先生方ならびに南江堂出版編集部の方々の寛大な心に心から感謝しております。下記南江堂出版HPから購入できますのでよろしければ、御購読下さい。 https://www.fujisan.co.jp/product/1461/?gclid=CjwKCAiAs92MBhAXEiwAXTi250Xs63_YxGdr4iU-ztqa9HUvXDdBt4Qlfh54tnHSYx3pqcK_WL8BVBoCj08QAvD_BwE 解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

健康のためエレベーターを止めて階段上りは良いが、階段下りは膝を傷める

変形性膝関節症筋肉トレーニング若い人の整形外科説明
「最近、運動不足だからエレベーターを止めて階段を下りよう」と思う方がいると思います。でもそれは、膝を傷める原因となります。階段を下りる時に伸ばした膝を56°曲げた時には膝のお皿の裏の軟骨への圧力が加わり膝の痛みが起きることがあります(鈴木伸治ほか.旭川赤十字病院医学雑.1: 50-52,1987.)。階段を下りる運動をするぐらいならその場で太ももを水平になる足踏みを2分間連続で行った方が良いです。水平足踏みは、腸腰筋というお腹の中の筋肉を鍛えるだけではなく、血圧降下にも効果があります(加藤治秀:日本医事新報4042:42-47,2001.)。 階段を下りる時には大腿直筋という太ももの前にある筋肉がしなやかでないと体が横揺れ(重心動揺)して、スムーズな動きができなくなります。正座は大腿直筋を引き伸ばし柔らかくするとても良いストレッチ運動です。福田先生らは、正座したまま後ろに体を反らす運動で大腿直筋をストレッチすると、スムーズに階段が下りられなかった7人の体の横揺れ(重心動揺性)が即座に減少したと報告しました(福田浩之:理学療法えひめ.28:56-57,2015.)。正座がひざに悪いというのは僕は間違いだと思います。ひざが痛くない方でも正座して体を後ろに反らす運動を時々やってみると体が伸びて気持ち良いですよ。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝