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- 筋肉トレーニング老化説明
- 老化の度合いを判断する基準の一つに、両目をつむって片足で立ち、そのままの姿勢を何秒キープできるかを測定する方法があります。10秒を最大とし、10秒キープできたらその時点で測定終了です。 日野原先生達の調査によるとによると、男性の20代、30代、40代、女性の20代、30代は、ほとんど全員が10秒間姿勢を保つことができています(日野原重明ほか:日本老年医学会雑誌.3:289-294,1966)。 男性の50代、女性の40代、50代になると、10秒間キープできる人は半分以下に減ります。男性の50代と60代、女性の60代は、1秒から10秒の間で、非常にばらつきがあります。そして男性の70代以上、女性の80代は、ほとんどの人が1~2秒しか片足の姿勢を保てなくなっています。 やはり高齢になるほどバランス感覚は衰えていくのです。 足の筋力アップトレーニングを続けて、ひざ痛を改善しながら、このようなやり方でバランス感覚を取り戻していくことも、老化防止に役立つのではないでしょうか。もちろん、現在の身体の状態を測る意味でも、有意義な運動の一つといえます。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
目つむり片足立ちは、老化の検査とバランス感覚の訓練を兼ねている
- スポーツ若い人の整形外科説明
- 今回も関西医療大学教授の増田研一先生に教えてもらいました。世界アンチドーピング機構は、2022年1月1日から全ての注射方法によるステロイド注入をドーピングと見なすことを決定しました。整形外科医にとって関節内のステロイド注射はよっぽどのことがないと打ちませんが、皮膚のすぐ下にある滑液包に対する注射ならば、比較的安全です。だから「明日、試合に出たいんです」と言われるとステロイドを好意で打つ整形外科医もいると思います。 「ドーピングなんてトップアスリートだけの問題でしょう?」と思われる方も多いと思いますが、東京五輪で多くの未成年選手が新しい種目に出場していた場面を思い出して下さい。周囲の大人がきちんと対応・指導すべきという点で決して縁遠い話とも言えません。 もちろん治療使用特例を提出して正当な治療行為である事を証明すれば良いのですが、これがまた非常に面倒な手続きが必要ですので、ステロイドを使わないに超したことはありません。↓ちなみにテレビで宣伝しているボラギノールA座剤 プドニゾロンというステロイドの成分が入っています https://www.borraginol.com/products/zazai_a/ だから、ドーピング検査前に痔になった時には座薬の成分はよく調べて、よく考えてから使用してください 解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
来年から一流アスリートは整形外科で注射を打ってもらう時に要注意!
- 変形性膝関節症著書説明
- 整形外科は「外科」の一種ですから研究は手術に関する論文が主です。いくらコロナ禍とはいえ、自宅で電動自転車を漕いで治すという話は相手にされないだろうと思っていました。しかし、整形外科(南江堂)12月号で「75歳以上の変形性膝関節症患者に対する電動アシスト付きエルゴメーターの効果」と題した僕の論文が1350頁から1353頁まで掲載して下さいました。審査員の先生方ならびに南江堂出版編集部の方々の寛大な心に心から感謝しております。下記南江堂出版HPから購入できますのでよろしければ、御購読下さい。 https://www.fujisan.co.jp/product/1461/?gclid=CjwKCAiAs92MBhAXEiwAXTi250Xs63_YxGdr4iU-ztqa9HUvXDdBt4Qlfh54tnHSYx3pqcK_WL8BVBoCj08QAvD_BwE 解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
71年前に創刊された整形外科(南江堂)が電動自転車に関する論文を掲載。寛大な心に感謝。
- 変形性膝関節症筋肉トレーニング若い人の整形外科説明
- 「最近、運動不足だからエレベーターを止めて階段を下りよう」と思う方がいると思います。でもそれは、膝を傷める原因となります。階段を下りる時に伸ばした膝を56°曲げた時には膝のお皿の裏の軟骨への圧力が加わり膝の痛みが起きることがあります(鈴木伸治ほか.旭川赤十字病院医学雑.1: 50-52,1987.)。階段を下りる運動をするぐらいならその場で太ももを水平になる足踏みを2分間連続で行った方が良いです。水平足踏みは、腸腰筋というお腹の中の筋肉を鍛えるだけではなく、血圧降下にも効果があります(加藤治秀:日本医事新報4042:42-47,2001.)。 階段を下りる時には大腿直筋という太ももの前にある筋肉がしなやかでないと体が横揺れ(重心動揺)して、スムーズな動きができなくなります。正座は大腿直筋を引き伸ばし柔らかくするとても良いストレッチ運動です。福田先生らは、正座したまま後ろに体を反らす運動で大腿直筋をストレッチすると、スムーズに階段が下りられなかった7人の体の横揺れ(重心動揺性)が即座に減少したと報告しました(福田浩之:理学療法えひめ.28:56-57,2015.)。正座がひざに悪いというのは僕は間違いだと思います。ひざが痛くない方でも正座して体を後ろに反らす運動を時々やってみると体が伸びて気持ち良いですよ。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝
健康のためエレベーターを止めて階段上りは良いが、階段下りは膝を傷める
- 五十肩説明食事療法
- 長尾先生らの研究では、スプーンを用いた場合の肩の最大外転角は29.2±6.6°であり、箸を用いた時の17±2.5°に比べて有意に高値であった。また、スプーンを用いた場合の肘屈曲最少角度は79.2±18°であり、箸を用いた時の40.7±12.6°に比べて有意に高値でした(長尾徹ほか:神戸大学医学部保健学科紀要.17: 1-7,2001)。箸はいったん挟むとどのような角度になっても食品は落ちにくいが、スプーンはすくい上げた食品をできるだけ落とさないようにスプーンの面を水平にしなければなりません。このため、スプーンでの食事の方が箸での食事より肘や肩にかかる負担が大きいです。だから、四十肩や五十肩の時にはスプーンで食べるカレーなどは控えめに、箸で食べるそばなどを食べましょう。 上腕骨が肩甲骨にぴったりはまって安定する姿勢は腕を130°から150°挙げた位置であり、これをゼロポジションと言います。ちょうど両手を組んで頭を支えてハンモックに寝転がる姿勢です。また、やすらぎ音楽が肩の筋肉の緊張を和らげることも知られています(武澤千尋:産業看護.1:199-205,2009)。だから、車や新幹線の移動の時には座席をリクライニングにして両手を後ろに組んで音楽を聞いて過ごすのが、肩にかかる負担が減る楽な過ごし方です。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝