貴晶会戸田リウマチ科クリニック

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ニュースNews

ゲンコツより平手打ちの方が耳に与える傷害が大きく後遺症が長続きす

未分類説明
2022年3月28日に行われたアカデミー賞授賞式で、ウィル・スミスさんがクリス・ロックの顔を平手打ちする騒動を起こしました。平手打ちなら大きな怪我はしないと思われがちですが、拳で顔を殴るよりも平手打ちの方が耳に後遺症を残す可能性が高いです 高野先生の調査では外傷性鼓膜穿孔の30人のうち、平手打ちで起きた者は20人と66%と最も多く、ついで耳掃除6例の20%だったそうです。つまり、平手打ち以外で鼓膜が破れることは少ないようです。鼓膜がやぶれた後には耳閉感という耳の中に何かが詰まっている感じ、または耳がふさがれた感じをいい、よく高い山へ登ったときに耳に感じる違和感が後遺症として長く続きます高野信也ほか: 耳鼻咽喉科臨床.96:885-889,2003.)。 。僕は何が言いたいかというと平手打ちが相手に与える損害は大きいということです。 ちなみに、小児の感染症である伝染性紅斑、別名米りんご病で頬が赤くなる症状を平手打ち様紅斑といいます。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長  

若者の薬物乱用は危険ドラッグからかぜ薬や咳止め薬の大量服用に変化した

未分類説明
2022年3月25日。覚醒剤取締法違反などの罪で追起訴されたアイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー、田中聖(たなか・こうき)さんが保釈されました。また、ETキングのクラッチさんが大麻所持で書類送検されました。本当に↓いつまでたっても麻薬作用のある薬を使う若者がいなくなりませんね その理由は次から次へと麻薬作用のある新しい抜け道ができるからだと思います。宇佐美先生らは10代の薬物関連精神障害症例71例を比較検討した。危険ドラッグは2014年調査の48%から2018年調査で0%へと低下し,市販薬は2014年調査の0%から2018年調査で41.2%へと増加し,乱用薬物が危険ドラッグから市販薬へと増加していました。 危険ドラッグは国際宅配便で日本に送られました。ところが、日本の薬事法の改正、あるいは税関の体制の厳格化で、水際で止める体制ができてきました。一方、かぜ薬や咳止め薬のなかには、覚醒剤の原料であるエフェドリンや麻薬の成分であるリン酸ジヒドロコデイン、興奮作用をもつカフェインなどが含まれている場合があります。この成分は、咳や頭痛を抑える一方で、飲みすぎると眠気・疲労感がなくなり、↓多幸感や頭がさえたような感覚などの覚醒作用があります。そのため、これらの市販薬を違法薬物の代替品として使用される事例が多発し、拡大が懸念されています。論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

カチューシャに制裁しないで下さい。医療では補聴器や幼児用メガネに必要です

その他説明
東京ディズニーランドで、定番アイテム「カチューシャ」が1つも売られていない……そんな情報がSNSを中心に話題になっています。オリエンタルランドに話を聞きました。断続的な納品となる原因については「詳細はお伝えできない」とのことです。カチューシャといえば、↓代表的なロシア民謡の曲名。ロシアといえば、↓ウクライナ侵攻。↓アメリカ生まれのディズニーランドがカチューシャに制裁を加えているというのは考えすぎでしょうか? 耳は空気を伝わってくる振動である空気伝導と骨を伝わってくる振動である骨伝導で音を感じます。工先生によると耳漏が続く中耳炎や両側の外耳道閉鎖症などで耳の穴に補聴器を挿入できない場合などにはカチューシャ型の骨導補聴器が便利だと解説しています(工穣: ENTONI.144: 146-151,2012) 耳とカチューシャといえば、僕の学生時代の同級生は耳鼻科の医師が使う額帯鏡を二つ重ねてミッキーマウスの真似をして笑いをとっていました。↓映画パッチ・アダムスでパッチが浣腸用の赤いボールを鼻につけて子供達を喜ばすのと似ていると僕は思いました 論文の解説:江坂駅前の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

春は新人医師や看護師の練習の季節。採血の失敗を許してやって下さい

その他若い人の整形外科説明
今回も関西医療大学の増田教授に教えてもらいました。様々な医療資格の国家試験の合格発表がなされ、希望に燃えた新人の皆様が医療の現場にデビューする時期となりました。私の教え子で日本と韓国両方の医師国家試験に合格した者がおります。彼によると同じ医師国家試験でも内容はかなり違うそうです。一言で言うと日本は『広く浅く』韓国は『狭く深く』らしいです。あと、韓国では筆記試験に加えて実技試験もあるそうです。 あれ?という事は日本では基本的な技術的トレーニングはどこで?? やはり新人の時に頑張ってトレーニングするんです。スタッフ同士で練習することがほとんどでした。 こんにゃくを使って手術の練習などもします。田中先生の研究ではコンニャクは初心者が分層皮膚を採取するための練習材料として,十分に利用できると述べておられます(田中克己ほか:日本形成外科学会会誌.25:475-478,2005)。あと、血管縫合の練習にコンドームを縫うなんてこともやります。 最近は練習用のキットもあるんです。左は採血や静脈注射練習用のキットです。真ん中はちょっとリアルな採血用キットです。実はネットショップで簡単に入手可能なんです。下は傷の縫合を練習するキットです。日本人は総じて器用だと言われています。相性もあります。最初は上手くいかなくても温かく?見守って頂きたいと思います。↓そう言えば静脈注射をする際に注射器を持って『素振り』している研修医の先生がいましたわ。 論文の解説:江坂の整形外科診療所 戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝

骨は端が伸びるのではなく、端の手前の骨端線で伸びる。骨端線を冷やさないで

若い人の整形外科説明
皆さん、思春期の骨はどの部分が伸びると思いますか?多くの人が関節の軟骨が骨に変わって骨が伸びると思っておられるでしょう。でも関節の軟骨と骨になる軟骨は別物なんです。軟骨はまず真ん中の部分に血管が入り込んでカルシウムが沈着して骨になります。思春期には軟骨は骨の一番端と端の手前だけに残ります。これを骨端線といいます。骨端線の軟骨が分裂して骨を伸ばします。端の軟骨は関節の軟骨になり、関節の動きを滑らかにします。つまり、軟骨には成長軟骨と関節軟骨があります。 骨端線は軟骨ですから、レントゲン写真には写ってきません。成長期の子供のでは全身で104箇所に骨端線があります。スポーツなどで起ってくる成長痛はこの骨端線で起ってきます。骨端線では縦方向だけではなく、横方向にも骨が伸びますので。成人してからも骨が少し出っ張っています。その代表が足首の外側にあるくるぶしです。 足首のくるぶしは大人になってからも骨が出っ張っていますので、その上には脂肪がついている人は少なく、皮膚の下すぐに血管や神経が通っています。また、服で覆われていないことが多いので気流や冷えにさらされやすく、かつ敏感であるため、足のくるぶしと後頭部は部屋の温度や気流の変化を敏感に感じ取ります(Huda et al:.日本建築学会環境系論文集 . 68 巻 574 号 21-28,2003)。だから、冷え症の方はくるぶしを冷やさないようにしましょう。 論文の解説 江坂の整形外科診療所 戸田リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝